國學院大學 入学案内 2024
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135※令和5年度までの入学試験における出題傾向をもとに作成しています。長文総合問題の攻略法と文法問題対策 本学ではすべての外国語試験にマークセンス方式が導入されているため、和訳等の記述式問題は出題されません。問題形式に関しては、長文総合問題2題(約70%)、文法問題2題(約30%)が基本であり、長文は平均して600〜700語前後となっています。なお、語彙レベルは高校までの学習範囲を大きく超えないため、特別難解な単語を覚える必要はないでしょう。特に英語の得点が重視される学科では、制限時間内に解答できるよう、時間配分にも注意する必要があります。 長文総合問題では、英文全体、さらには段落ごとの内容の的確な理解が要求されます。内容合致問題では、当該の英文に含まれるすべての単語が理解できなくとも、その英文の周辺や問題文の中にヒントが含まれていることもあるため、熟読して内容を正確に把握し、解答してください。また、長文の内容は、エッセイ、時事的な話題、文学的な文章など、多岐にわたるため、普段からさまざまな話題の英文を読んでおくことが望ましいでしょう。 文法問題は、奇をてらわない、極めてオーソドックスなものが多いため、一般的な文法問題に精通していればよいでしょう。年度によっては会話表現に関する問題が出題されることもあるので、口語的な言い回しにも慣れておきましょう。文章全体をしっかりと「論理的」に読む 現代文の試験で問うているのは、「論理的な思考能力」です。どの学部学科でも学生に求める能力は、論理的に思考する力、すなわち、思い込みや感情に走らず、冷静に見極める力です。そして、怠けず、手を抜かずに、着実に積み重ねる能力でもあります。 入学試験は、傍線部の前後だけではなく、出題されている文章の「全体」を読まなければ解けないようになっており、現代文の対策は、「まず文章全体をよく読んでから解答する」ということになります。全体を読めば、その文章の「方向性」が分かり、その「方向性」をつかめれば、どの問いも実は「同じ方向」を向いていることが分かります。文章は、論理的に書かれているので、その「論理」を見破ってしまえば、選ぶべき答えはおのずと定まってくるのです。 現代文の勉強法は、とにかく本を読むことです。本をたくさん読めば、自然と文章を読む速度が上がってきます。そして、文章を数多く読んでいけば、論説文における「論理のパターン」が見えてきます。「本を読む」という基礎的訓練は、大学に入学してからも、授業を理解する力や、課題のリポートや論文を書く力へとつながっていきます。 論説文の筆者は、自分が主張したい「考え」や「意見」があるからこそ、わざわざ文章を書こうとしています。しかもその「考え」や「意見」が、すでに世間で言われていることや、誰かが言いそうなことであるなら、それをわざわざ発表する必要がありません。人が気付いていないことや誤解していることについて、発信しているのが論説文です。世間一般で言われていることは、話が「単純」だからこそ信じられ、人々の理解や共感も得やすい傾向があります。それをひっくりかえそうとすると、どうしても話は「複雑」になります。「複雑」ではあるが、話は「論理的」なので、辛抱強く筋道をたどってゆけば、「なるほどそういうことか」と分かるようになっています。 いかに難しそうに見えたとしても、「論理的」に書かれた文章は、「論理的」に読んでいけばわかります。高等学校卒業程度の学力の持ち主が、一定程度の努力をしさえすれば、必ず正解にたどりつける、というのが現代文の出題意図です。従って、出題される問題文は、論理的な文章であり、その論理性を確認する問いが出されています。 現代文の入試は、直感や印象を競うのではなく、論理的整合性を確認する試験です。その文章に何が書かれているのか。その文章が何を主張しようとしているのか。その意図を正確に読み取らなければ解けません。例えば「反語」と「疑問」は形式的には似ていますが、その主張しようとする方向性は大きく異なっています。その違いは、論理的に説明可能なものであり、読む側もそれを論理的に読み取ることが求められるのです。 文章を論理的に読み取るためには、第一に、「文脈」を把握することが大事です。文脈とは、文章全体が目指す「方向性」のことです。第二に、漢字・語彙・修辞・表現の正確な理解が大事です。文章を書くときには、さまざまな言葉の中から、自分が最も使いたい言葉を選びます。その「選ぶ」基準は、それぞれの言葉の意味の差異や用法の慣例にあります。読む側は、その言葉の意味を正確に理解することで、その言葉を選んだ筆者の意図を正しく捉えることができるのです。漢字の知識や語彙力を増やすには、やはり多くの本を読むことが有用です。具体的な文章の中で、言葉の使い方や微細なニュアンスの違いを感得するのが一番の早道です。そして、本を読んでいて知らない言葉が出てきたら、すぐに辞書でその読み方と意味を調べるという日々のトレーニングが必須です。これ以外に現代文上達の途はありません。手抜きをせず、努力した者だけが勝利を手にすることができることを肝に銘じて勉強してください。基本的な知識を身に付けよう 國學院大學の「古文」は基本的な知識と読解の仕方をきちんと身に付けていれば、決して難しくありません。以下のポイントを意識しながら学習するとよいでしょう。 ①用言と助動詞を身に付けよう! 例年、動詞の活用と助動詞の意味を出題しています。文の成分の中で最も重要なのは述語です。述語にある用言(動詞・形容詞・形容動詞)と助動詞によって文のさまざまな意味が決まります。助動詞を理解するためには、まず、助動詞が接続する用言の活用を理解しなければなりません。用言の活用を身に付けたら、助動詞の学習をしましょう。助動詞については、次の3点を何も見ずに言えるようにしてください。(1)用言のどの活用形に接続するか。(2)どのように活用するか。(3)どのような意味を表すか。 例えば、「ぬ」という助動詞は、(1)連用形に接続し、(2)「な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね」と活用し、(3)「完了」と「確述(強意)」という意味を表す、と答えられるように学習しましょう。また、「完了」と「確述(強意)」のように意味が複数ある場合は、「なむ」「ぬべし」の場合に「確述(強意)」になるなど、意味のあてはめ方も学習しましょう。  ②敬語を理解しよう! 「敬語」は一度理解してしまうと簡単です。敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があり、「尊敬語」は動作をする人を高める語、「謙譲語」は動作を受ける人を高める語、「丁寧語」は聞き手(読み手)を高める語です。まず、敬語であることに気付き、それが「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」のどれにあたり、誰を高めているのかを考えてみてください。例えば、「かぐや姫いとい

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