國學院大學 入学案内 2024
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一般選抜入試 科目別アドバイスKOKUGAKUIN UNIV. 140【勉強のポイント】 本学の化学の試験は、教科書レベルの知識に基づいた問題がほとんどです。したがって、「化学基礎」や「化学」の教科書をよく読み、理解し、知識を身に付けることが試験対策として最も重要であることは言うまでもありません。とはいえ、教科書に書かれた事項を丸暗記するのではなく、教科書の演習問題や標準的な問題集を利用し、演習を重ねることで知識の定着を確認し、活用できるようにしましょう。まずは、基本的な形式の問題を完璧に解けるようにすることを目指すとよいでしょう。 同時に、計算問題の練習を行い、すばやく正確に計算できるようにすることも必要です。実は、「化学基礎」や「化学」に登場する計算は、比の計算や簡単な四則計算がほとんどですが、焦っていると「自分が計算しているのは何の数値なのか」と道筋を見失ってしまうことが多いのではないでしょうか。演習をする際「化学基礎」や「化学」に登場する実験や反応式と計算とを紐づけ、途中計算の意味を意識することで、試験本番でも生かせる力が身に付くことでしょう。【求められる能力】 A日程3日間の入試問題の出題内容を総合して、出題したそれぞれの分野において求められる能力について解説します。 第1問:小問集合では、「生物基礎」および「生物」の全範囲から、基礎的な知識や理解を問う問題が出題されました。「生物基礎」を中心に、小問毎に異なる分野から出題されており、「生物基礎」および「生物」の全範囲にわたる偏りのない知識の習得が求められます。 第2問〜第4問:大問毎に「生物」の一分野から、それぞれ(A)と(B)の中問2題構成で出題しました。 「遺伝情報の発現」を題材とした大問は、遺伝子の転写や翻訳(2日目)、PCR法や電気泳動などのバイオテクノロジー(3日目)に関する問題でした。両日とも基礎的な知識を問う他、実験を題材とした問題も出題されており、基礎的な概念の理解と知識の活用力が求められます。 「生殖と発生」を題材とした大問は、減数分裂と遺伝子の組換え(1日目)、動物の形態形成(2日目)に関する問題でした。減数分裂の過程や、イモリとショウジョウバエの胚の形態形成についての知識が問われました。また、1日目では遺伝子の組換えに関する計算問題も出題されており、知識の活用力が求められます。 「動物の行動と反応」を題材とした大問は、効果器と神経系に関する問題でした。筋繊維や中枢神経系の構造、筋収縮のしくみについて出題し、効果器と神経系に関する幅広い知識を問いました。 「植物の環境応答」を題材とした大問は、植物ホルモンと植物の成長に関(B)では「有機化学」の分野から出題されました。「無機化学」では代表的な元素の分類に基づき、単体や化合物の性質、反応について幅広く問われました。また、「有機化学」では、有機化合物の構造に基づいた分類や製法、化合物の構造の推定や検出方法についての知識が問われました。無機物質や有機化合物に関して、さまざまな物質の分類や性質への正しい理解が求められます。●生物【範囲、出題形式】 本学の入学試験において、生物は、全日程とも「生物基礎」、「生物」の全範囲から出題されます。大問は4題で構成され、出題形式はすべてマークシート方式です。令和5年度の出題は次の通りです。 第1問:「生物基礎」、「生物」の全範囲から、「生物基礎」の内容を中心とした小問集合の出題。 第2問〜第4問:中問2題構成で、大問ごとに一分野を題材に出題。令和5年度は主に「生物」の分野を出題。具体的には、A日程の1日目では第2問「生殖と発生」、第3問「動物の行動と反応」、第4問「生物群集と生態系」を、2日目では第2問「遺伝情報の発現」、第3問「生殖と発生」、第4問「生物群集と生態系」を、3日目では第2問「遺伝情報の発現」、第3問「植物の環境応答」、第4問「生命の起源と進化」から出題されています。【勉強のポイント】 本学の生物の試験は、教科書レベルの知識に基づいた問題がほとんどです。したがって、教科書の内容を十分に理解することが、最もよい試験対策といえるでしょう。特に、教科書に太字で掲載されている重要語句については、単なる暗記ではなく、その意味をよく理解しておく必要があります。 生物の試験において出題される計算問題の多くは、基本的な四則計算で解けるものばかりです。そのため、基礎的な難易度の計算問題で練習し、正確な立式を行えるようになりましょう。 生物は、理科の他科目と比較して文章や図表の読み取りが多い傾向にあります。そのため、限られた時間内に問題の要点を把握し、情報を整理する必要があります。時間を有効に使うためには、問題全体を見通して、解ける問題から正確に解いていくことも大切です。また、出題範囲は「生物基礎」と「生物」の全範囲であることから、大問では題材となった分野だけでなく関連分野からも出題される可能性があるため、勉強する際は、分野間の関連を意識しつつ教科書を一通り読むことから始めてみましょう。する問題でした。植物ホルモンと植物の成長に関する基礎的な知識を問う他、実験を題材にした問題も出題されており、設問文から条件を読み取って論理的に思考する力が求められます。 「生物群集と生態系」を題材とした大問は、生物群集や生態系における物質生産(1日目)、個体群内の個体間の関係や異種個体群間の関係(2日目)に関する問題でした。両日とも基礎的な知識が問われた他、表やグラフを用いた問題も出題されており、基礎的な概念の理解と知識の活用力が求められます。また、1日目の問題では、生物基礎の範囲である生態系における物質循環についても出題されており、生態系に関する幅広い知識の習得が求められます。 「生命の起源と進化」を題材とした大問は、生物の進化のしくみに関する問題でした。進化のしくみに関する基礎的な知識が問われた他、遺伝子頻度についての計算問題も出題されており、知識の活用力が求められます。また、種分化と関連付けて生物の分類における種の定義についても出題されており、進化のしくみだけでなく進化と関連する幅広い知識が求められます。 

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