文学部4年次3年次哲学科KOKUGAKUIN UNIV. 036「良い」「悪い」という性質について、しつこく考えます。例えば「善い人の人生は良い人生か」「死は悪いことか」。これは「すべき(でない)こと」への問いでもありますが、そうすると「できるだけ多くの人を愛すべきか」「男は強く、女は優しくあるべきか」という具合に、問いが次々と出てきて、止まらなくなります。この授業では、正統・異端、神秘・理性、愛欲・解脱など、諸々の対立項が共存するインドの思想を、その基底にある論理的思考とともに紹介します。神話や輪■・業だけでなく、唯物論、言語論、知覚論、そしてジャイナ教や仏教など、多様な体系同士が繰り広げる多彩な競合を体験してください。古代ギリシア以来受け継がれてきた哲学の精神を、現代を生きる者としてどのように批判し、理解し、そして受け入れるかを学びます。西洋哲学の一分科として成立した美学と、さまざまな芸術ジャンルを理論的に考察する芸術学、史的・実証的研究としての美術史を学びます。主な科目● 哲学演習 ● 美学・芸術学演習● 哲学特殊講義IA・IB, ⅡA・ⅡB, ⅢA・ⅢB, ⅣA・ⅣB● 美学・芸術学特殊講義IA・IB, ⅡA・ⅡB, ⅢA・ⅢB● 応用倫理学A・B● キリスト教概論A・B● 比較思想A・B ● 比較芸術学A・B日本・東洋の多彩な造形や豊かな文化をより深く学ぶための体験型の講義です。キーワードに沿って好きな作品を選ぶミニ発表や、卒業論文に関わる報告も行います。貴重な在外日本美術コレクションや展覧会の裏事情も紹介し、美術と人の関わり方についても考えます。江戸から明治期の浮世絵や古布に直接触れる機会もあり、匠の手技に驚く受講生の声が教室に響きます。高校時代に政治哲学者ハンナ・アーレントの著作『人間の条件』を読み、西洋哲学に関心を持つように。同じキャンパスで政治思想や政治哲学の講義を履修できることにも惹かれ、哲学科へ進学しました。印象に残っている講義は、雑誌『現代思想』の感染症特集を扱った「哲学特殊講義」です。哲学というと古典を精読する印象が強いのですが、この講義では私たちの生活に大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルスのパンデミックを題材に、存命の哲学者の文章と向き合いました。哲学と生活の密接な結び付きを改めて実感し、自らが置かれている状況を見つめ直す契機となりました。卒業後は厚生労働省へ就職予定。1年次から4年次まで継続して国家公務員を目指す講座「K-PLAS」など國學院大學の充実した対策が支えとなりました。今後は、外国人労働者をはじめとする誰もが、適切な労働環境で意欲に応じて働き、労働を通して活躍できる共生社会の実現を目指します。授業PICK UP演習科目PICK UP〈 藤澤 紫 教授 〉私立聖徳大学附属取手聖徳女子高等学校 卒業卒論テーマ例● 出生前診断と命の選択● ヴァーチャルリアリティ世界は現実世界と同等でありうるか?● 他者に見られる私、私自身が見る私● しゃべくり漫才の基本構造と変遷● 廃墟写真における死と再生● 琳派の系譜と風神雷神図 他哲学・倫理学コース美学・芸術学コース倫理学Aインド思想史A・B現代の社会課題と向き合い労働を通じた共生社会の実現へ山口 真央文学部 哲学科 4年[取材時]/厚生労働省 内定在学生インタビュー美学・芸術学演習
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