B会場A会場文学部2時限AI玄奘はサンスクリット語の夢を見るか?2時限1時限1時限3時限3時限文学部が主催する高校生のための新たな学びの場、それが「國學院大學 文学塾」です。第6期の開催は、令和5(2023)年3月25日(土)に渋谷キャンパスにて行われました。文学部の専任教員が講義を実施し、高校1・2年生はもちろん、卒業間近の現3年生や中学・高校の先生方なども多数ご参加いただきました。※写真は在学時のものです。KOKUGAKUIN UNIV. 038生徒全員に「分かった」という実感を持たせるための授業展開や指導を工夫し、実践しています。授業づくりは試行錯誤の連続ですが、大きなやりがいのある業務。大学で得た「主体的に学ぶ姿勢」を活かして、先輩たちからさまざまなことを学び、取り組んでいます。生徒たちの成長だけでなく、興味・関心も引き出す授業ができるよう、これからも教員として日々努力を重ねていきたいと思います。統一テーマ講義文学部の学びの諸相―時空を超える翻訳・解釈―10:30〜12:00教科書で学んだ知識だけでは、古墳時代の具体的な時代像を思い描くことは難しいかもしれません。時代像を明らかにするには、当時の人々の息吹を伝える史資料を丹念に観察・判読することが不可欠です。本講義では、長野県安曇野市穂高古墳群で出土した土器を考古資料として観察し、抽出できる情報を整理します。整理した情報を踏まえ、そこからどのような古墳時代像を描くことが可能なのか、皆さんとともに考えます。12:50〜14:20唐代の詩には、他郷にある詩人が故郷や都長安への望郷の念を詠う作品が多く見られます。唐詩における主要テーマの一つといってよいでしょう。ところが、唐代中頃の白居易の詩には、「身心の安らぐところこそわが故郷だ、都ばかりが帰るべき地ではない」といった、従来の詩には見られない表現が何度も登場します。白居易にとっての「故郷」とはどんなところであったのか、その故郷観の特色や後世への影響について検討します。14:30〜16:00『源氏物語』は多くの人々によって読み解かれ、解釈が更新されてきましたが、今なお解釈が揺れている部分があります。例えば、「夕顔」巻で光源氏は夕顔という女性のもとに顔を隠して通っていきますが、その際に光源氏は覆面をしていたのかどうかという問題は現在も解決されていません。本講義では、それぞれの解釈を吟味しながらこの問題について検討し、そもそも光源氏はなぜ顔を隠さなければならなかったのかを考えます。生徒が成長できる授業づくりを目指して、奮闘しています10:30〜12:00中国には「相声」と呼ばれる伝統芸能があり、これは日本の漫才に相当します。本講義では、日本の高校生の皆さんを対象に、中国の漫才を紹介します。中国語の分からない人でも理解できるよう、まず授業の前半で中国語の基礎的な知識をお話しし、続く後半では実際の漫才の映像を見ながら、一つひとつ言葉の意味を解説し、笑いのツボを探っていきます。ボケとツッコミの面白さを味わいつつ、中国語による言葉の芸術を楽しみましょう。12:50〜14:20日本に伝わる「お経」。そのほとんどはサンスクリット語などから漢語に翻訳された仏典であり、翻訳には「三蔵法師」玄奘などアジアの僧たちによる試行錯誤の跡が見られます。本講義では①インドの原典が漢訳あるいは現代語に翻訳される過程、②現在進行中の、漢訳やチベット語訳などを利用した散失サンスクリット語原典の復元作業をご紹介。人間の、何かを伝えようとする情熱に触れてみましょう。14:30〜16:00現代日本の選挙では、立候補した政治家の家族が自身の日常やキャリアを犠牲にして政治家を支えることが珍しくありません。男性政治家が多い日本では、犠牲を迫られるのは多くの場合女性の配偶者であり、個人に犠牲を強いる選挙運動は新たに議員に立候補しようとする人にとっては高い「壁」になっています。それではなぜ、こうした様子が「当たり前」になった(なってしまった)のでしょう。この講義ではその歴史的淵源を探るとともに、政治とジェンダーとの関係を皆さんと考えます。2022年卒業 髙橋 政史さん千葉県公立高等学校 勤務[取材時]卒業生VOICE 土器から考える古墳時代青木 敬 教授専門分野:日本考古学[古墳時代・古代]唐詩と「故郷」 ―白居易の場合―澤崎 久和 教授専門分野:中国古典[唐代]文学光源氏はなぜ顔を隠すのか?―『源氏物語』「夕顔」巻の解釈をめぐって―竹内 正彦 教授専門分野:日本中古文学渡辺 俊和 准教授専門分野:インド哲学、仏教認識論中国の漫才を楽しむ針谷 壮一 教授専門分野:中国語学近代日本の選挙運動と政治家家族手塚 雄太 准教授専門分野:日本近現代史・日本政治史げんじょう第6期はこんな時間割でした!次回開催の情報は、決定次第文学部ホームページ・EVENTSコーナーにて公開します。文学部INFORMATION高校生のための学びイベント、「國學院大學 文学塾」
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