「国学」とは、日本語・日本文化・日本思想について幅広く総合的に研究する学問を言います。江戸時代に始まり、多くの国学者たちが日本とは何かを考え続けてきました。そして、日本古来の生活習慣や考え方などを知るためには、その資料とし日本文学科では、1年次には3専攻の基礎を幅広く学び、2年次からは専攻に分かれて専門を深める学びを行います。 上代の『古事記』や『万葉集』、中古の『古今和歌集』や『源氏物語』、中世の『平家物語』や能・狂言、近世の『奥の細道』や『東海道中膝栗毛』、そして近現代の夏目漱石や太宰治といった、日本文学のさまざまな作品や作家を研究の対象とします。学生一人ひとりの興味・関心に合った深い探究ができます。 古代から現代に至る発音・文字・表記・文法・語彙・表現など、言語としての日本語をあらゆる角度から学びます。『源氏物語』などの古典の文献資料から、現代の話し言葉やビジネス現場で使われる言葉、各地でのフィールドワークで明らかとなる方言まで、分析する資料は多岐にわたります。国語教育や日本語教育に関する講義が充実している点も特長です。 声によって伝えられてきた昔話や伝説、行為によって伝えられた祭礼や年中行事、形によって伝えられた民具など、文字によって追うことができない文芸や儀礼・風俗といった日本の民俗文化を扱い、その本質を理解することを目指します。各地の民俗文化の実態を明らかにし、地方と中央、過去と未来を繋ぐ文化の動きをとらえ、日本文化に対する理解を深めます。 上記3専攻以外に「書道」「図書館学」「国語教育」「日本語教育」も日本文学科の大きな柱となっています。3専攻のいずれに属していても学修することができます。て古典文学を正確に読むことが求められました。日本文学科の「三つの学び」は、どれもこの国学の伝統につらなるものです。日本文学・日本語学・伝承文学の三つが一つになることで、国学の伝統を正しく受け継ぐことができるのです。 日本という国には、千年以上も昔からの文書や書物が数多く残っています。日本について深く知ろうとすれば、やはり残されている資料に書かれていることをていねいに読んでいくことが大切になっていきます。そして、その資料の多くが古文で書かれています。日本文学科では、資料の種類や性格を知り、そこで使われていることばについて深く考えることで、より豊かな「書物の読み方」を学んでゆきます。 國學院の特色ある学問に「民俗学」があります。伝承文学専攻は、民俗学を専門的に学ぶコースです。民俗学は、衣食住などの生活習慣や、祭りや行事、昔話や俗信・妖怪など、それまで他の学問が見落としていた領域を研究対象としています。古ます。日本文学科では、國學院でしか学ぶことができない民俗学と日本語学・日本文学の複合した領域を学ぶことができます。 日本文学科の卒業生は、社会の各方面で活躍しています。金融や流通などの業界に就職する人も少なくありません。しかし、國學院の名を高めてきたのは、国語の教員となった卒業生の活躍によるところが大きいでしょう。國學院で学んだ国語教員は、専門的な知識の深さと正確さで尊敬を集めてきました。日本文学科では「書道」の教員免許状や日本語教師の資格も取得できるので、卒業生は活躍の場を広げています。また、文学や書物に関わる仕事を希望する学生も多く、「図書館学」を履修して図書館司書となった卒業生や、「表現文化」領域科目を履修して出版業界や放送業界に就職した卒業生もいます。9▶日本文学専攻▶日本語学専攻▶伝承文学専攻①國學院の「國學」ってなに?②どうして古文を読まなくちゃいけないの?③なぜ「伝承文学」の専攻があるの?④日本文学科で学んだことを将来に生かすには?学科の特色 日本の文学・言語・文化を深く学ぶ日本文学科へようこそ 國學院ならではの「学び」の世界へ
元のページ ../index.html#11