タテヨコ史学科4年下麥 颯大さん史学科川名 禎准教授この字は経糸と緯糸を織り込む道具に由来するそうです。それはあたかも時間と空間を組み合わせて、歴史の断片を織り込みながら、歴史像としてまとめ上げていく私たちの作業に通じるものがあります。川名 史学科の特長は、まず多彩な教授陣の指導を受けることで歴史学を総合的に学ぶことができる点です。そしてゼミでは、専門に特化した指導を受けることで、専門性の高い歴史学の知識や方法論を身につけることができます。とりわけ本学の伝統でもある実証主義に基づいた学びは、情報リテラシーの求められる現代社会において、必ず役立つものになると考えています。下麥 私の卒論テーマは「近世都市景観図の図像学的研究」です。近世に作製された都市景観図を図像学的に考察するというものですが、図像学とは「描写や描かれた事象の意味を読み取る」ことを目的とした学問のことです。会津若松が描かれた6種類の景観図を類型化したのですが、最終的には「若松城(鶴ヶ城)がどのように位置づけられたのか」というところへ落とし込んでみました。川名 私が研究しているテーマは、近世の城下町の景観や都市構造、住民の生活空間などについて明らかにすることです。下麥君が卒論でそうしたように、景観図や絵図、古地図や地割、古文書などによって過去の空間にアプローチするというもので、フィールド調査も重要な手段となってきます。専門分野としては歴史地理学なのですが、史学科では地域文化と景観コースを担当しています。このコースでは「地域」や「景観」を元に過去の歴史を探っていきます。下麥 幼い頃から戦国時代などの歴史に興味があり史学科を目指してきましたが、國學院大学に決めたのは当初志望していた教職を目指す人が多いことと、図書館の蔵書の多さからです。入学後、高校時代に学んだ「歴史」と大学での「歴史学」とのギャップの大きさに驚きましたが、論理的に考え、その考えと発言に根拠を持たせなければならないことの必要性を学びました。川名 國學院大學の史学科は、単に歴史の知識を学ぶのではなく、物事の考え方や見極め方を学ぶ場所です。なんといっても伝統があり、卒業した後も「ここで学んだ」と誇ることができるように先生方も日々努力しています。私の指導するゼミ生の研究テーマは実にバラエティーに富んでいるのですが、「自由な発想で自由な研究テーマを選んでもらえれば」と考えています。歴史地理学には、下麥君の研究の様に文献からではわからないことについて、果敢に挑戦するという醍醐味があります。下麥 この大学は、図書館の他にも、常設展示に加えて多彩な企画展示が行われる博物館もあり、学ぶ環境が充実しているというのが大きな特徴です。また、国立博物館などに無料で入場できるキャンパスメンバーズ制度もあり、4年間何度も利用しました。色々なサークルもあり、部活動に打ち込むこともできるため、4年間を楽しんで過ごせる大学だと思います。対 談●史学科を漢字一文字で表すと・・・25(学年は取材時のもの)綜知識だけを学ぶのではなく、考え方や見極め方を学ぶ
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