國學院大學 文学部 令和8(2026)年度 入試ガイドブック
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34 1年生のための哲学の導入科目で、さまざまなテーマで開講されています。例えば、福沢諭吉の『学問のすゝめ』を教材にして、幕末維新に日本の大変革を担った人が、西洋から何を吸収定着しようとしたのか、そのスリリングな辛苦に密着するとともに、西洋の言語を日本語に置き換える感性と理性のありさまをじっくりと考究する授業があります。 海外でも評価の高い日本の美術、その魅力はいったいどこにあるのでしょう。この講義は、日本の美術や伝統文化に興味を持ち、それらを「見たい・知りたい・楽しみたい!」と感じる受講生に向けた授業です。「浮世絵とメディア」「アニメ—ションや漫画の源流」「美術と国際交流」「展覧会の現在」などの身近な観点から、その特質に迫ります。授業の前半はテキストやレジュメを用いた基礎学習、後半はパワ—ポイント等のビジュアル機器を活用した応用学習になります。簡単な工作も交えて体感的に学びますので、ご一緒に日本美術の豊かな世界を楽しみましょう。 「西洋美術史」では、ルネサンス以降、第一次世界大戦以前までのヨーロッパ美術の流れを学びます。15世紀から20世紀初めにかけてのこの期間に、西洋美術は中世キリスト教美術から大きく展開し、人間と現実をいかに表現するかという大きな課題に挑んできました。500年間におよぶ美術の歩みを、作品のみならずそれを生み出した社会・思想・文化的背景をも考えながら辿ります。毎時、多くの作品や文献資料を用いるので、その中から今日の芸術につながる表現やテーマを見つけましょう。時代によって美術は表現方法やテーマを変えてゆきますが、そこには「造形表現とは何か」「人間は芸術に何を託すのか」という普遍的な問いかけが潜んでいます。デジタル化が進んだ今日、イメージは人間社会に多様な働きかけします。イメージと人間との関わりも学んでゆきましょう。 「良い」「悪い」という性質について、しつこく考えます。例えば、「善い人の人生は「よい人生」か?」「死は「悪い」ことか?」。さらに、「すべての人がすべての人を愛すべきか?」「男は強く、女は優しくあるべきか?」「自由と理性は対立するか?」「「できる」こと、「したい」こと、「すべき」ことの関係はどうなっているのか?」「「アイデンティティ」ってよいものか?」「日本人は不幸な国民か?」という具合に、問いはぞろぞろ出てきて、考えだすと止まらなくなります。 哲学概論A・Bでは、存在とは?自由とは?時間とは?知識とは?心とは?言語とは?などのさまざまな哲学的問題について考えます。哲学者や哲学の歴史ではなく、あくまでも問題を中心に置いてさまざまな議論を概観しつつ、答えを探していきます。 古代ギリシアにおける愛智(ピロソピアー)の精神、および中世キリスト教哲学へと結び付くその思想史的展開を学びます。西洋の豊かな知の源流へと遡り、「存在」への問いを共有するところからあなた自身の哲学の探求が始まります。また西洋思想を理解する上では欠かせない神の概念についても丁寧に読み解いていきます。 単なる区別と差別の違いは何なのか?寄付をしないことは悪いことなのか? ― 性差別や性的マイノリティへの差別、出生前診断や死刑の是非、報道倫理や貧困・難民問題などについて、流布している誤解をうのみにせずに、反対意見を理解しながらとことん「自分の頭で考える」ことを目指します。倫理学A・B哲学概論A・B西洋哲学史Ⅰ A・B応用倫理学A・B哲学科基礎演習Ⅰ A・B日本美術史A・B西洋美術史A・B■ 小手川正二郎 教授西洋近現代哲学/現象学■ 藤澤紫 教授日本美術史/江戸文化論/比較芸術学■ 藤野寛 教授西洋近現代哲学、倫理学/ドイツ現代思想■ 三浦篤 教授西洋美術史/日仏美術交流史/比較芸術■ 渡辺俊和 准教授インド哲学/仏教認識論・論理学■ 岡本源太 教授美学/西洋ルネサンス思想/現代思想■ 金杉武司 教授西洋現代哲学・分析哲学(現代英米哲学)/心の哲学・メタ倫理学■ 木原志乃 教授西洋古代哲学/古代ギリシャ医学思想史授業紹介専任教員

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