『古事記』は日本文学の原点と言える作品です。『古事記』に記された神話・物語の中には多くの神や人が登場し、その生と死、恋と戦いなどが表現豊かに描かれています。そこには神や人の美しさ、はかなさ、ずるさ、醜さ、愚かさを見て取ることが出来ます。他の分野では、『古事記』は古代の歴史や民俗、信仰を知るための史料として読まれることがありますが、日本文学科では、『古事記』という文学作品そのものが研究対象となります。そこに描かれた悲喜劇を読解し、その後の文学に与えた影響を、表記史、表現史の中に位置付けながら考えていきます。そして、まだ充分に解明されていない『古事記』の世界観についての検討を行っています。 ギリシア神話は古事記のようなまとまった原典はありません。ホメロスの『イリアス』『オデュッセイア』をはじめとしたさまざまな作品に言及されているさまざまな物語の集合体がギリシア神話であり、世に言うギリシア神話は著者が自らの解釈でまとめたものに過ぎません。したがって、史学科においてギリシア神話、あるいは神話を直接の対象として勉強することはできないでしょう。しかしギリシア宗教を勉強する一環として神話を題材にすることは可能と思われます。その場合は、神話がポリスの政治や社会あるいは生活にどのように取り入れられ、働きかけたのかといった観点から神話を扱うことになるでしょう。 中国文学科では、中国語の学習とあわせて、中国古典を漢文訓読によって読み、古代から現代に至る中国の学術の総合的な理解を目指します。 中国語については、学科の専門「演習」科目として、基礎からじっくりと学び、実力を錬成します。また、大学の制度として、3種類の中国語圏での留学制度がありますが、中国文学科では留学参加を強く勧めています。特に「セメスター留学」(約5・6か月間の現地学修)については、中国文学科独自に、カリキュラムの中に位置づけており(2年次参加が標準。中国語教養プログラム選択者は必修、他プログラム選択者は任意)、毎年多数の参加者があります。多くの先輩が積極的に学んで実力をつけ、卒業しています。 史学科の専門科目には『古事記』そのものをテーマにした授業はありません。古事記は現存する日本最古の歴史書と言われますが、上巻・中巻の内容は神話的伝承です。国の始まりや天皇家の由来などたいへん重要な内容が書かれていますが、登場人物の実在性を含めて史実と考えることはできません。ですから、古事記それ自体を根拠史料として歴史の研究はできないわけです。しかし、下巻に記述された5世紀から6世紀頃の倭は古墳時代にあたり、古代国家が形成されていくプロセスを考古学的に研究することは可能です。『考古学各論』Ⅴ〜Ⅷなどの授業で、古墳時代の倭の政治や文化を考古遺物や遺跡から実証的に学ぶことができます。 ギリシア神話について、哲学科では多様な視点から幅広く学ぶことができます。まず哲学・倫理学コースでは、例えば神話の死生観、神話か代ギリシア哲学研究の一環としての様々なアプローチが可能です。また神話学を、ユング心理学やリクール解釈学など、現代哲学の観点から研究するのも面白いかもしれません。さらに、美学・芸術学コースでは、とで画家の表現の深層に迫ることができ、大変興味深いです。どちらのコースに所属しても、テーマは横断的ですし、両コースの関連授業を受講することをお勧めします。 外国語文化学科で中国語を学ぶ利点は「中国語と英語を同時に学べる」という点です。2言語をマスターすれば就職にも圧倒的に有利です。毎年、多くの卒業生が外国語力を生かして就職しています。 1〜2年次には、ネイティブと留学経験のある日本人教員のもとで、会話を主体にした実践的な中国語を基礎から学びます。3年次には、現地のテレビ・映画・新聞の中国語にチャレンジするほか、視野を広げて中国の社会・文化・歴史・伝統についても学びます。文法や単語の習得にも力を入れ、中国語検定2級程度の中国語力を目指します。希望すれば中国・台湾への短期留学・セメスター留学、さらには1年間の長期留学を目指す学生も少なくありません。史学科の回答 哲学科の回答 外国語文化学科の回答 44どのようなことを学べますか?日本文学科の回答 どのようなことを学べますか?史学科の回答 と思うのですが、どのようなことを学べますか?中国文学科の回答 文学部FAQP28P34P22P9P28P15Q1古事記に関心があります。古事記やその時代について学びたいと思うのですが、Q2ギリシア神話に関心があります。ギリシア神話について学びたいと思うのですが、Q3中国語や中国の文化に関心があります。中国語や中国の文化について学びたい
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