國學院大學 文学部 令和8(2026)年度 入試ガイドブック
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月7日本文学科4年岩﨑 由季乃さん日本文学科岩崎 雅彦教授岩崎 日本文学科には3つの専攻があり、「日本文学専攻」では、古代から現代までの日本文学全体と、個々の作品に対する集中的な研究を。「日本語学専攻」では、各時代における日本語の発音·文字·表記·文法·語彙·方言などを対象とした研究を。「伝承文学専攻」は、昔話·伝説、民俗儀礼、そして民具等によって伝達継承されてきた文化を研究対象としています。岩﨑(由) 私がこの大学を選んだのは、高校時代、母親に連れられて初めて観た歌舞伎のインパクトが強く、大学では歌舞伎を中心に学ぶことができればと思ったからです。歌舞伎は特に動きやセリフ回しに魅かれたのですが、ストーリーも虚構の話というのが気に入っています。岩崎 私の研究分野は、能·狂言などの中世文学です。私が歌舞伎に興味を持ったのは、昭和50年、エリザベス女王が来日した時に歌舞伎をご覧になられたのですが、「女王がご覧になる歌舞伎とはどんなに素晴らしいものなのだろう」と思ったのがきっかけでした。もちろん歌舞伎がどんなものか知ってはいたのですが、それ以降テレビで中継を見るようになり、劇場にも足を運ぶようになりました。岩﨑(由) 卒業論文は、「新作歌舞伎が古典から受けた影響」についてです。新作歌舞伎に「刀剣乱舞」という作品がありますが元はゲームで、他にアニメもあり、そういったものが歌舞伎の演目になっています。その演出の中に、例えば古典の「義経千本桜」からきている部分があったりするため、「どんな作品が元になっているのだろう」と考察するテーマにしました。岩崎 ゲームやアニメを取り入れるというのは、歌舞伎として実は王道です。例えば有名な作品に「南総里見八犬伝」や「東海道中膝栗毛」がありますが、両方とも大ベストセラーでその人気に目をつけて歌舞伎化していくわけです。それらを取り入れるというのは、今でいうとメディアミックスになります。岩﨑(由) 國學院大學の良いところは図書館が充実していることで、特に地下の書庫には古い雑誌などがたくさんあって、卒論の参考にさせてもらいました。岩崎 この大学の図書館は国内の私立大学でもトップクラスだと思います。日本文学科の特長としては、教員の数が多いことです。古事記·万葉集から現代小説まで各時代·各分野の教員がいますので、学生がやりたいと思った時代やジャンルを研究できる環境が整っています。岩﨑(由) この大学にゼミはないのですが、その代わりにそれぞれの先生方の研究会というのがあって、いくつか掛け持ちできるという点も良いですね。岩崎 そういったことで自然と視野が広がっていくというのも、この大学で学ぶ大きな魅力だと思います。対 談●日本文学科を漢字一文字で表すと・・・(学年は取材時のもの)文学科というのは、たとえば空を見上げ月を眺めることが好きな人が来て学ぶ場所―そこが法学部や経済学部との違いでもある。日本文学は、生きていくための拠り所でもある

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