國學院大學文学部 日本文学科-ガイドブック-
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文学と教育︑専門が二つあるというのは︑教師としては大変な強みです︒国語教育学領域関連講座14び、同時に教職課程を履修するのも、中学校・高等学校の国語科教員への道の一つなのです。 文学部卒業のための単位に加えて、それとは別に教職課程の単位を取ることになるのですから、その道のりは少々険しいと言わざるをえません。日本文学科の授業では文学の専門家、教職課程では教育の専門家を目指し、自分を作ることになります。二つの異なるカリキュラムを同時にこなすには、教職への強い意欲と日本語や伝承文化も含めた広い意味での日本文学への探究心、加えて自己をマネージメントする力が必要になるでしょう。 しかし、文学と教育というように、専門が二つあるというのは、教師として大変な強みです。國學院大學を出た国語科の教員が高く評価されている理由の一つです。三年次以降は、日本文学科の国語教育学領域に設けられた「国語教育学概説Ⅰ・Ⅱ」 「国語教育実践研究Ⅰ・Ⅱ」「国語教育学演習Ⅰ・Ⅱ」を履修することで、文学と教育学をつなぐことを深く学ぶことができます。文学の魅力を知り、それを体現できるだけでなく、国語教育学や教育方法学の知見に支えられた授業ができるようになります。本学の日本文学科で学べば、文学者にして教育の専門家、そんな国語科の教員を目指すことが可能なのです。 教育を専門とした学部学科で学ぶ以外にも教員になる方法はあります。例えば日本文学に関する専門教育に加え、教職に関する授業(教職課程)を履修すれば、国語科の教員免許を取得することが可能です。つまり、國學院大學の日本文学科で学 では、四年間どのように学ぶことになるのでしょう。教職課程に絞ってみてみます。 一年目。まずは入門編。例えば、「教職論」の授業では、教師という仕事について考えます。これは同時に自身の教育体験の見つめ直しでもあります。授業を受ける側だったみなさんが、四年後、授業をする側に変わる、そのための第一歩です。また特別支援学校や福祉施設に出向いて学ぶ「介護等体験」のためのガイダンスもあります。 二年目は、「国語科教育法」の授業が始まり、国語の先生に少し近づきます。学科での学びをどう授業に活かすか考えることになるでしょう。一方で、介護等体験を通じて、一年目に学んだ教育の本質について自らの言葉で改めて捉えなおすことにもなります。あいまいだった教師の実像が見えてきて、一生の仕事とすべきか悩む人も出てくるはずです。その時はぜひ、大いに思い悩んでください。 三年目の後期に開講される「教育実習ⅠA」という講座では、教育実習へ向けた事前指導を行います。その際、二年半の学びがどれだけ身に付いているか冷静な自己評価を必要とします。また、三年次には進路や生活の指導に関する講座も始まり、授業のデザイン(学習指導案)を作ったり、実際に授業をしてみる機会が増えたりして、教壇に立つ自分が思い描けるようになってきます。 そして四年目に、ほとんどの人が前期中に教育実習を行います。実習先では、本当に「先生」と呼ばれます。その呼びかけにしっかりと応えられてはじめて、教職への道が開かれます。後期開講の「教職実践演習」では、実習経験を検討し、教師としての自身の今後の課題を探ります。教師は絶えずあるべき教育の姿を求め、学び続けなければなりません。その意味では、学び方を学ぶ、そんな四年間になるでしょう。所属教員一覧齋藤 智哉教育方法学高橋 大助文学教育高山 実佐国語教育学概 要

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