國學院大學文学部 日本文学科-ガイドブック-
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日本文学専攻万葉集(元暦校本・断簡)6的な学修を可能にしています。 具体的には、上代・中古・中世・近世・近現代の5つの時代の文学作品を取り上げ、講義や演習を行っています。たとえば、上代から近世では『古事記』『万葉集』『古今和歌集』『源氏物語』『蜻蛉日記』『平家物語』『宇治拾遺物語』『徒然草』『日本永代蔵』『奥の細道』などの古典作品、近現代では□口一葉、夏目漱石、川端康成、太宰治、横光利一などの小説、中原中也の詩などであり、これ以外にも多くの作品・作家を取り上げています。その種類の豊富さは本専攻ならではと言えます。内容的には、たんに作品や作者の気持ちを読み取るだけではなく、作品の成立に関する時代的背景や同時代的な比較などを行います。また原典に立ち返り、古典籍や作家の自筆原稿などにも触れますので、高校までに培った鑑賞力をさらに伸ばしながら、研究的姿勢を養っていきます。 1年次に日本文学科としての基礎を修得した上で、専攻に別れる2年次では「日本文学史」などの講義で全体的な流れをとらえるとともに、「日本文学講読」などの講義を通じて歴史的背景や作品の構造分析など、作品読解の研究的な基礎を修得します。また、学生ひとりひとりが希望する分野の「日本文学演習Ⅰ」で自らの発表、討論を通じて思索を深めていきます。3年次以降は発展的に「日本文学演習Ⅱ・Ⅲ」といった演習を中心にしながら、「日本時代文学史」や上代・中古・中世・近世各々の「文学研究」などの講義を通じて各自の問題意識を養い、論点を明確にしながら卒業論文の完成を目指します。 日本文学専攻の特徴の一つとして、国語科教師を志望する学生が多いことが挙げられます。これまで紹介してきましたカリキュラムの修得を通じて、古典文学への深い造詣や近現代文学の読解方法など、専門的な知識を身につけ、教壇に立っています。その点で日本文学科は「教職の國學院」としてチャレンジプログラム「古典教育研究」を、中国文学科とともに運営しています。将来的には教科書の指導書執筆や編纂ができる専門性を修得するプログラムです。教員採用の際、このプログラムの修了証は大きなアピール・ポイントとなるでしょう。 日本文学専攻では、長い伝統的な学問体系を尊重し、日本文学科が教育目標として掲げる「古典の読める國學院」の実現を目指して、古典文学研究に重きを置くと共に、近現代文学研究についても力を入れ、古典と現代文学についての総合所属教員一覧荒木 優也和歌文学安西 晋二近現代文学石川 則夫近現代文学岩崎 雅彦中世・近世の芸能上野  誠上代文学・万葉文化論竹内 正彦中古文学谷口 雅博上代文学土佐 秀里上代文学中村 正明近世・明治初期文学野中 哲照中世文学概 要

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