教員紹介教員からのメッセージ15地図を持って街に出ようそうすれば歴史の痕跡が見えてくるかも知れない准教授 川名 禎准教授 赤松 加寿江 近年、景観に対する関心は高まりをみせています。ユネスコの世界文化遺産をはじめ、日本では国の重要文化的景観の指定や日本遺産の認定、また景観法という法律も制定されました。従来、景観は文化財として見なされていませんでしたが、文化財保護法の改正により文化財に位置づけられるようになったのです。こうした背景には、景観の中に歴史や文化が色濃く残っていることがあらためて理解されるようになった点があげられます。 地域文化と景観コースでは、こうした景観をはじめとして、絵図、古地図、地名、石造物、伝承、伝統行事など文献資料以外のさまざまな歴史資料をも積極的氏 名専門分野/主な研究テーマ歴史地理学/近世都市空間の研究建築史学、歴史地理学/近世イタリア都市空間の研究、日欧の文化的景観Kawana TadashiAkamatsu Kazueに活用して、歴史地理学的手法から歴史や文化を明らかにしていきます。とりわけ、地図はさまざまな景観を記号化したもので、景観を知る重要なツールです。過去の地図である絵図や古地図を分析すれば、過去の景観の復原や、その時代の人々が当時の地域や空間に抱いた認識を理解することができます。絵図や古地図を見ながらフィールドに出れば、昔の人がみた景色がよみがえってくるでしょう。地図から物事を発想することを地図的思考といいます。皆さんもこの地図的思考を身につけて、自由な発想で歴史を探ってみませんか。川名 禎 准教授
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