□志□田□也□子□理□真□田□和□多31□□山□□本□□澤□□哲□□浩□□一□□内□□川□□隆用できる方法なので、様々な地域を対象に研究することができます。ただそのためには、対象地域の基本文献史料を読み解いた上で、地域の景観・空間情報を入手・分析していくことが求められます。難しく思えるかもしれませんが、景観の変化と特質を読み取り卒業論文を仕上げていくのは魅力的な作業であり、地域貢献にもつながるものです。熱意と敬意を持って、一緒に調査研究に取り組んでいきましょう。 國學院大學大學には昭和3年に□口清之博士によって創設された考古学標本室が起源となる國學院大學博物館があります。物質文化を研究する考古学を学ぶため多くの実物資料を直接見ることが出来る博物館の必要性を訴えての開館でした。それから80年、平成20年にリニューアルオープンし、20名に及ぶ専門スタッフによって特別展やワークショップの開催など日夜積極的な博物館活動を展開し、全国にその名が知られるようになりました。皆さんはそんな恵まれた環境で人文系学芸員としての博物館の専門的な知識と技術を習得できるのです。 博物館学は、人類が遠い過去から現在に至って築いてきた様々な生活文化の証を探求し、その成果から未来の新しい人間の生き様を学習するための殿堂である博物館を、より良き存在として科学的に達成するための学問として存在します。学芸員は博物館学の専門知識・技術、各々が身につけた専門分野における知識をフル活動させ、博物館という場で様々なかたちで社会に発信する専門職といえます。モノと人、人と人をつなぐ学芸員の世界を目指してみませんか。 博物館学という学問領域は、まだまだ一般の理解には至っていないのかもしれません。美術館の片隅に座っている監視員さんを学芸員と勘違いしている人も多いと言われます。博物館や学芸員の理解もままならない状態では、博物館学という学問自体の存在やその意義を知る由もないのかもしれません。しかし私は、博物館学こそ学生が社会に出るにあたって最も役に立つ学問ではないかと考えています。 そもそも博物館とは何でしょう?世の中にはさまざまなモノがあり、それを守る必要があります。では、それを何故守るのでしょう?それは、いろいろなモノというのは、我々が生きている証拠だと言えるからです。それを守っているのが博物館であり、そのモノを守るために従事するのが学芸員でであって専門性を発揮すべきなのです。もちろん、学芸員だけでいいわけではありません。市民のチカラが必要です。市民とともに社会全体で守る。それを学ぶことができるのも博物館学です。伝統ある國學院大學の博物館学のチカラ。それを感じてもらいたいと思っています。 中学校及び高等学校の教員を目指す皆さんが、教職に従事していくために必要とされる資質・能力を身につけるための科目を担当しています。皆さん自身が仲間と切磋琢磨しながら、実際に中学校特別の教科道徳、中学校社会科や高等学校公民科の授業を自ら構想し、学習指導案を作成することができるようになることを目指しています。 私は高等学校の地理歴史科及び公民科の教員として勤務した後、国立教育政策研究所において、中学校と高等学校の道徳教育並びに高等学校の公民科教育を中心に教育課程の調査研究に従事してきました。現在は、主に中学校道徳の教育内容や教材の変遷、中学校及び高等学校の社会科系諸科目の学習内容との関連についても調べています。 私は主に、教員を目指すみなさんが修得する教職課程の科目を担当します。担当科目のひとつ「教育の原理」は、「あなたにとっての教育とはどういうものですか?」という問いかけから始まります。何かひとつの正解に行き着くわけではありません。究極の答えが見つからない問いの深みと、その深みを味わう楽しさを共有したいと思っています。 私が研究しているのは、日本の近代教育史です。学校や役場に残されている文書、昔の教育者たちが書いた記録などを読み解くのですが、知りたいのは、さまざまな時代を生きたそれぞれの人々にとって「教育」とはどのようなものであったか、何を学び、教えようとしたのか、教育を受けることで何が得られると期待したのか、ということです。私たち自身が経験し、またイメージしている「教育」とは、古今の数知れない人々が営んできた「教える」「学ぶ」の積み重ねで成り立っています。そう思うと、史料を読んで多様な教育観にふれることは、まさに「教育とは何か」という問いの深みを味わう楽しさそのもの、なのです。■ 博物館学■ 博物館学■ 社会科教育■ 公民科教育■ 道徳教育史■ 社会科教育■ 教育学■ 日本教育史博物館学課程教職課程
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