國學院大學文学部 ガイドブック 史学科
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概 要6  日本史学コース・山崎雅稔准教授 ・田中大喜兼任講師・ 高見澤美紀兼任講師 ・関口博巨兼任講師・内山京子兼任講師・岩橋清美教授・中込律子兼任講師・柴田紳一准教授古代から現代にいたる我々の生きてきた道を「実証史学」で学び、これからに活かす歴史研究を進めるためには、歴史資料(史料)を正確に理解するための読解力が不可欠です。漢文調の文章や草書体(いわゆるくずし字)で書かれた史料を読む力が必要となるのはもちろんですが、史料の様式・形式、作成された背景など、その性格を詳しく知る必要もあります。日本古代史・中世史・近世史・近現代史の時代ごとに開かれるこの講義では、それぞれの時代の史料の特徴を学びながら、参加者全員で史料を読解していくことで、史料の読解力を養います。國學院大學が所蔵している江戸時代の古文書の原本等を使用して授業を行ないます。江戸時代は大量の古文書が作成された時代で、この分析なしに研究は難しいのですが、その読解は困難です。この授業で少しでも近世古文書に関する知見を深めて、江戸時代の研究に役立ててほしいと思います。厳格な身分制が確立されていた前近代の日本社会を理解するために、とても有効な学問が「有職故実」です。有職故実とは、公家社会や武家社会に属する者たちが日常的に必要とした知識の総称で、儀式・儀礼、服装、道具、政務の遂行や文書の形式など、実に多様な内容を含みます。Ⅰでは天皇や貴族の衣・食・住について、Ⅱでは朝廷の年中行事や儀式、出産から葬送に至る通過儀礼などを扱っています。テーマは「昭和史を探る」。「激動」「動乱」の時代といわれながら、感情的・批判的に理解されることの多い昭和史ですが、あくまで「史料」に基づき、当事者の意図や周囲の情勢を考慮に入れ、通説にとらわれない昭和史像を描くことを目的に、概ね大正末期から昭和20年代まで、昭和天皇・吉田茂ら人物を中心に政治・軍事・外交上の諸重要問題を取り上げます。昭和史に対する関心・理解の深化を到達目標とし、あわせて昭和史を通して「歴史」の大切さを認識することを目標とします。有職故実Ⅰ・Ⅱ日本時代史Ⅶ 日本史学コースでは、日本史を大きく古代・中世・近世・近現代の4つに区分し、それぞれ2人の専任教員が担当しています。國學院大學史学科の伝統である「実証史学」、すなわち厳密な史料批判(古文書・古記録など諸史料の内容を検討すること)を基礎に、各時代・分野の史実やその意義を研究します。 日本の社会・文化の成り立ちを明らかにして、現代社会とのつながりを考え、これから訪れる未来をひらく。 まさに時間を超えた四次元の「歴史的瞬間」を研究の材料として、論理的思考力や情報分析能力を高め、世界で活躍できる人材を育てていきたいと考えています。主な授業史料講読Ⅰ・Ⅱ史料管理・保存論Ⅰ・Ⅱ史料にあたり、史実を考える日本の歴史に新しい1ページを加える

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