國學院大學文学部 ガイドブック 史学科
8/32

概 要8  外国史学コース西洋地域史Ⅲ・神長英輔教授史学専門講義・石丸由美兼任講師歴史が長く、地域も広大。語学力をつけながら、強い問題意識をもとう西洋史は対象とする時代と地域が広いので、実に多様なテーマの講義が開講されています。たとえば、古代エジプト史、近世・近現代ヨーロッパの魔術・魔女論、近現代フランスの宗教と社会、ヨーロッパの建築史、近現代中東欧の民族問題、ナチズム論などです。学生のみなさんは自身の興味と関心に応じてこれらの科目を自由に履修することができます。近代の日中関係と中国人のなかの対日協力者(「漢奸」と呼ばれる。漢奸は売国奴、裏切り者の意。代表例として浦儀や江兆銘)の動向とを検討することで、近代日本=加害者、近代中国=被害者という一面的な歴史の見方を修正し、東アジア全体の政治的変動のなかで日中関係史を見直していこうという授業です。20世紀のロシアおよびその周辺地域(ロシア帝国・ソ連・ロシア連邦)の歴史を概観する講義です。ロシア革命の特徴、社会主義国家ソ連の政治・経済システム、各時代の国際関係、二度の世界大戦がロシアに及ぼした影響、ソ連解体の原因などを学び、ロシア・中東欧・中央ユーラシア近現代史研究の基礎となる知識を身につけることが授業の目標です。オスマン帝国のバルカン半島に対する支配のあり方をみることで、オスマン帝国の多様性を理解し、「オスマン帝国史=トルコ史」「東洋史のなかのオスマン帝国史」という誤った歴史認識を訂正しようという授業です。 外国史学コースは、大きく分けて、東洋史を学ぶコースと西洋史を学ぶコースとの2つがあります。前者はさらに、中国や朝鮮などの「漢字文化圏」の歴史を研究するものと、東南アジア・インド・中東などの「横文字文化圏」の歴史を研究するものとに分かれます。一方、後者は、一口に「西洋」といっても関心のある地域はどこなのか、いつごろの時代を勉強したいのかにより、さまざまな研究方法があります。 いずれにせよ、外国史学コースが対象とする地域は非常に広大で、時間の幅は長く、そこに居住する民族は星の数ほどおり、宗教も言語も複雑にからみ合っています。その歴史のすべてを4年間で学ぶのは、残念ながら、不可能です。外国史を学ぼうという皆さんに期待するのは、何を勉強したいのか強い問題意識を持ち、自主的に行動し、授業に積極的に参加することです。また、外国史を研究する上では、語学力は必須です。国際社会で活躍する人材が生まれてくれることを期待しています。主な授業西洋地域史・史学専門講義(西洋史)東洋地域史Ⅱ・□口秀実教授重なりあう、いくつもの歴史を縦横無尽に行き来する…わくわくが深さを増していく

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る