國學院大學 神道文化学部 令和7(2025)年度 ガイドブック
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8 書を持って旅に出よう!神道のもつ多様性や多面的な価値を探そう わたしの専門は、「神話学」です。人が人としての心を持つようになったときには存在していたとされる神話について、さまざまな角度から考え、理解しようとする学問です。基本的には文献と向き合うことが多いのですが、実は、なにより大事にしているのは神話の舞台とされているところ、古くから聖地とされているところに旅すること。古代から人々が神聖だとしてきた場所、特別だと思ってきた地に立ったとき、神話の背景が理解できたような気になることもあります。このような旅の魅力にとりつかれたのは、大学一年生のときに出雲を訪れたのがきっかけです。学生時代には、時間を大いに無駄遣いし、状況の許す限り、知恵を絞って、身近なところからでも神々を感じる旅をして欲しいと思います。その体験を語り合うことを楽しみにしています 私は、地域に所在する神社と人々との関係や、社会的な活動に関心を持ちながら、神道の宗教的・社会的な役割は何かという点について研究を進めてきました。なかでも近代以降の神社や神職にかかる法令や制度を中心に、神職の社会活動や神社の管理や運営、政治や行政との関係性についても研究を進めることで、近代、現代における神社神道の姿を明らかにしようと試みています。 グローバル化の波の中で、さまざまな価値観や考え方が混淆する現代の日本社会にあっては、今後ますます、様々な多様性を包含する聖なる箱のような存在である神道の理念やあり方が注目されるものと思われます。 全国津々浦々で行われている神祭りの姿や、それを形作る組織とネットワークの奥底にある人々の信仰のありようを窺いながら、神社・神道のもつ多面的な価値を一緒に探してみましょう。令和7年度担当科目 派遣研究のため授業担当なし出身地        専攻領域山形県        神話学 宗教学最終学歴学習院大学大学院人文科学研究科日本語日本文学専攻博士後期課程修了学位博士(日本語日本文学)所属学会日本宗教学会 「宗教と社会」学会 International Association for Comparative Mythology 神道宗教学会 ほか主な著書・論文『〈聖なるもの〉を撮る』(共編著、山川出版社、2023年)『神話の歩き方』(集英社、令和4年)『現代社会を宗教文化で読み解く』(共編著、ミネルヴァ書房、令和4年)『神話でたどる日本の神々』(筑摩書房、令和3年)『ファシズムと聖なるもの/古代的なるもの』 (編著、北海道大学出版会、令和2年)『世界の神様 解剖図鑑』(エクスナレッジ、令和2年)『いきもので読む、日本の神話』(東洋館出版、令和元年)『日本の神様解剖図鑑』(エクスナレッジ、平成29年)『よくわかる宗教学』(共編著ミネルヴァ書房、平成27年3月)令和7年度担当科目 神道史学ⅡA・ⅡB 神社管理研究Ⅰ・Ⅱ神道学演習Ⅰ・Ⅱ 宗教行政概論(専攻科) 「近代から現代の神社と神職・神道文化を考える」神道学演習テーマ 出身地岡山県専攻領域神道教化論 近代神道史 神道と福祉 都市社会と神社最終学歴國學院大學大学院文学研究科神道学専攻博士課程後期修了学位博士(神道学)所属学会神道宗教学会 日本宗教学会 「宗教と社会」学会 日本都市社会学会宗教法学会 社会事業史学会 岡山地方史研究会 神道史学会明治聖徳記念学会 社叢学会主な著書・論文『神道と社会事業の近代史』(単著・弘文堂、平成21年)『神社と神様がよ〜くわかる本』(単著・秀和システム、平成26年)『地域社会をつくる宗教』(編著・明石書店、平成24年)『よくわかる皇室制度』(単著・神社新報社、平成29年)『鳥居大図鑑』(編著・グラフィック社、平成31年)『明治維新と天皇・神社』(単著・錦正社、令和2年)『東京大神宮ものがたり』(単著・錦正社、令和3年)『現代「神道」講座』(単著・佼成出版社、令和6年)教授教授平藤 喜久子 HIRAFUJI Kikuko藤本 頼生 FUJIMOTO Yorio

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