國學院大學 神道文化学部 令和7(2025)年度 ガイドブック
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驚きと発見を求めよう!古いことにも新しいことにも目を向けよう!10 私の生まれは東京郊外。お盆になると同級生がイナカというところに行ってしまう現象を不思議に思っていたところ、たまたま読んだ玉勝間巻八「ゐなかに古ヘのわざののこれる事」に感化され民俗学を志し、大学生活を熊本で過ごしました。それから筑波山の麓で学位を得て、加藤清正公ゆかりの蔚山に渡韓、帰国後は上州草津の湯で心身を癒しながら研究生活を送りました。各地に遊学することおよそ四半世紀、人々の暮らしぶりを見つめながら社会規範と儀礼との関係を研究してきましたが、いずれの土地にも歴史があり個性的な文化と出会えます。驚きと発見は学問の醍醐味。この時代、この世の中を、みなさんの目で徹底的に見つめましょう。そして、書物を通して先人と語り合い、そこから驚きと発見と希望が得られることを期待しております。 私は、近現代におきた/おきている政治や社会の変化に関心を持っています。特に、戦後の高度経済成長期に地方から都市に移住してきた人々の間で、新しい生活様式や価値観(消費社会の到来、仕事観や家族観の変容など)と、旧来の価値観や習慣、信仰心などがいかにせめぎあい、融合・調和したか、グローバル化する世界の中で宗教や宗教間の関係はどのように変化してきたか、などについて考えています。 変わるもの、変わらないものに気付くためには、同時代のさまざまな事象をよく観察することも大切ですが、歴史を知り、そのルーツをたどることもとても大切です。本で学ぶ歴史はもちろんですが、ご家族、アルバイト先や実習先で出会った方、近所の商店街の店主さんなど、身近な人が生きてこられた歴史(ライフヒストリー)に耳を傾ける機会もぜひ持ってください。令和7年度担当科目 神道文化基礎演習 神道文化演習宗教学演習Ⅰ・Ⅱ 神道と文化日本宗教文化論Ⅰ・Ⅱ 神道と環境Ⅰ日本文化を知る(民俗宗教論)宗教学演習テーマ 「民俗神道の研究法」出身地        専攻領域東京都八王子市    民俗学 文化人類学最終学歴筑波大学大学院人文社会科学研究科歴史・人類学専攻修了学位博士(文学)所属学会日本民俗学会 日本文化人類学会 神道宗教学会 ほか主な著書・論文「神社の災害対応について」『阿蘇神社―熊本地震からの復旧に見るその姿―』(熊日出版、2024年)「戦後神道研究における民俗学の位置―民俗学的神道研究の展望―」 (『國學院雑誌』123-12、2022年)「真宗門徒の死者供養にみる民俗的心意―愛媛県今治市大三島町野々江のイハイを背負う盆踊り―」(『國學院雑誌』123-9、2022年)「災害復興と地域振興のなかの神社―阿蘇の自然災害を事例に―」 (『神道宗教』264・265号、2022年)「戦後社会における旧華族神職家の継承―阿蘇神社宮司三代の事例―」 (『日本民俗学』307号、2021年)令和7年度担当科目 宗教学Ⅰ・Ⅱ 宗教学演習Ⅰ・Ⅱ神道文化基礎演習 神道文化演習宗教学概論(専攻科) 宗教概説(別科)神道学演習テーマ 「宗教文化を通じて現代社会の特徴を捉える」出身地        専攻領域広島県竹原市     宗教社会学 宗教史 宗教文化論最終学歴一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士課程単位取得退学学位修士(社会学)所属学会日本宗教学会 日本社会学会 「宗教と社会」学会 他主な著書・論文「社会主義政権下での宗教実践―スターリン期ポーランドの新興工業都市の暮らし」(中野智世・前田更子・渡邊千秋・尾崎修治編『近代ヨーロッパとキリスト教―カトリシズムの社会史』勁草書房、2016年)「共存の歴史として描かれたもの―ポーランドのユダヤ人の歴史博物館」(國學院大學研究開発推進センター編『共存学4』弘文堂、2017年)「冷戦下での西ドイツ・ポーランドの和解に宗教はどう関与したのか」 (共著、伊達聖伸編『ヨーロッパの宗教と世俗』勁草書房、2020年)「公共宗教の光と影―ポーランドにおけるカトリック教会と公教育」 (櫻井義秀編『アジアの公共宗教―ポスト社会主義国家の政教関係』 北海道大学出版会、2020年)准教授准教授柏木 亨介 KASHIWAGI Kyosuke加藤 久子 KATO Hisako

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