観光まちづくり学部 学部長 西村幸夫4 「地域を見つめ、地域を動かす」――これは私たち観光まちづくり学部が最初に掲げたメッセージです。では、実際に地域の現場で何をどうすれば、「地域を見つめ、地域を動かす」ことになるのかについて、4つの柱を立て、それぞれ2つずつのメッセージに分解したのが、次ページの図です。 4つの柱とは番号順に、地域環境、地域社会、地域経済、そしてそれら全体のマネジメントを表しています。4つの大きなアイコンが目印です。 まず1つ目の柱、地域環境に関して、観光まちづくりという視点でこれに接近する手立てとして「地域の個性をみつけ、みがく」ことを挙げています。さらにその下に、2つの小さなアイコンがあります。地域の個性をみつけるということが地域の物語の読み解きとして示され、地域の資源を活かすことが地域を元気にし、ひいては地域環境を守ることにもつながるのです。 同様に2つ目の柱、地域社会に関しては、大切にすべきものとしてローカルマーケットと、つながり自体のワクワク感を挙げています。地域の人々にとって元気が出るようなつながり方が大切なのですね。 3つ目の柱、地域経済については、地域内での経済循環、いわゆる地産地消の大切さと、レジリエンス向上の推進を取り上げています。 ここまでの3つの柱は観光まちづくりを進める際の基本となるものです。いずれが欠けても観光まちづくりは成立しません。そしてこれらは地域のサステナビリティを支える3本柱でもあります。 最後のアイコンが先述の3本柱を支えるマネジメントに関するものです。それは人材と仕組みづくりから成っています。多様な人材が世代を超えて結びつき、継続的に物事に取り組めるような仕組みをつくることによって、観光まちづくりがサステナブルなものになっていくのです。 観光まちづくり学部のカリキュラムも、これら4つの柱を中心に組み立てられています。専門教育の中核となる展開科目はⅠ類(社会)、Ⅱ類(資源)、Ⅲ類(政策・計画)、Ⅳ類(交流・産業)から成っていますが、この4つの類の構成は、おおむねそれぞれの柱に対応しています。そしてこれらを横つなぎするのが、必修の観光まちづくり演習です。地域の現場に出かけることによって、「地域を見つめ、地域を動かす」とは具体的にはどういうことなのかを体感するプログラムになっているのです。 観光まちづくり学部は地域に軸足を置くことによって、魅力ある地域づくり・魅力ある観光地づくりのエキスパートを育てることを目指しています。これが、私たちが目指す観光まちづくりです。 さあ、観光まちづくりから広がる世界の扉を、ぜひ開けてみてください。――そこからあなたの物語が始まるのです。観光まちづくりとは ―キーメッセージを読み解く―
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