恒例の祭礼・行事が始まり、歴史を紡ぎ出すきっかけとは。死後の世界を説く宗教的な死生観の論理とは。人と神との関係性をひもとく諸研究神道文化学科教授遠藤潤神道文化学科准教授鈴木聡子身近な人や自分が死を迎えるとき、私たちは「死」を理解し、受け入れる必要があります。この点に関して、これまで多くの宗教や研究者が死生観を示してきましは、人は死後、黄泉の国という別世界へ向かうと説明されました。一方で、国学者・平田篤胤は死者の魂は、生者の世界と隣り合わせの見えない世界に赴くという考えを示しました。篤胤は日本だけでなく、西この理論の支えを求めました。一見すると特異に見える死生観も、研究を進めていくとその人の考えた論理が見えてきます。独自の論理が編み出される過程をひもとき、論理的な視点から死後の世界に向き神輿渡御や秋の収穫感謝、端午や七夕の節供など毎年の恒例として、神社でさまざま行われる年中行事。古くから連綿と受け継がれてきたこれらの祭礼・行事は、私たちにとって身近な存在かもしれません。しかし、「古くから」とは、いつからでしょうか。どんな行事でも始まったきっかけや背景があります。例えば平安時代、都近辺の神社では、国家や天皇との関係性が行事の創始に大きく影響を与えています。近年、天災や過疎化による規模の縮小など、各地で祭りや行事に変容が求められる機会が増えました。文化を守りながら、どのように継承すべきか。創始のきっかけや目的を理解することで、その指針を得ることができます。044『年中行事絵巻』の神輿渡御の場面平田篤胤『霊の真柱』(国立公文書館 デジタルアーカイブより)たはか田合を洋こ特と自き合合洋たっ。の例て考えみえばま方、『せもん古含か事め。記た』多に種基多づく様あなる知論見考にもで
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