國學院大學 入学案内 2026
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魅力ある地域、魅力ある地域づくりとは。増えすぎた観光客をどうコントロールするか。融合すべき二つの視点とは。地域との関わり方をひもとく諸研究観光まちづくり学科准教授大門創観光まちづくり学科准教授藤岡麻理子観光客の増加により、地域環境に悪影響を及ぼす現象「オーバーツーリズム」。海外では、行動制限や罰金などで規制を行う一方、日本では観光業を支える地域住民の反対から、規制ではなく誘導や啓発を主な対策として実施しています。都市、そして観光地の持続可能な発展のために適切な対策はどちらでしょうか。都市全体の土地利用や交通整備を注視したまちづくり(都市計画)と、観光資源・地域文化としての側面を注視した観光地づくり(観光計画)、双方の視点から検討が必要です。これまで、日常・非日常、住民・観光客、都市・地方と別々で考えられてきた二つの視点を融合することで、地域ごとの最適な解決策が見えてきます。誰もが知る歴史的建造物や町並み、あるいは特徴的な気候や豊かな自然環境。地域を魅力的にするものはそれだけでしょうか。さまざまな地域について調べ、訪れてみると、どんな地域にも歴史と土地に根ざした文化があり、それらを大切に想う地域の人々がいることを実感します。地域の環境と営みの中で時間をかけて育まれた固有の歴史文化は、今も地域の人々によって深められ、個性と魅力の源になっています。しかし、この魅力を守り、活かす取り組みは、変化の激しい社会経済状況の中で継続が約束されているわけではありません。歴史的・文化的文脈を踏まえ□地域ならでは□を見出し、未来に活き続けるための方策を探ることは、魅力ある地域づくりのカギとなるはずです。078旧東海道沿いの小田原市板橋地区:地割とたたずまいが残る一部の地域に集まる観光行動 

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