熊本大学の教養教育 肥後熊本学
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難解な「草枕」ではあるが、それを「パターン通りには展開しない宮崎アニメのようなもの」として捉えることによって、「草枕」に接近していくことができ、また、その世界的な価値が見えてくるというのが本稿の結論である。これが「草枕」復活への第一歩になるかもしれない。 1 橋本暢夫『中等学校国語科教材史研究』(2002・7、 溪水社) 2 半藤一利・宮崎駿『腰抜け愛国談義』(文藝春秋、2013・8) 3 「映画『崖の上のポニョ』公式サイト - “夏目漱石”に意外なルーツ」 2017年1月24日現在 4 引用は、多くの人々に「草枕」に気軽に親しんでほしいという本稿の趣旨に基づき、あえて「青空文庫」に拠る。 5 E・M・フォースター『小説の諸相 E. M. フォースター著作集 8』(中野康司訳、 1994・11、 みすず書房) 原著 1927. 6 夏目漱石「余が『草枕』」(『文章世界』1909・10) 引用は『漱石全集』第二十五巻 (岩波書店、 1996・5) に拠る。 7 同前 8 同前

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