熊本大学 工学部案内
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有機材料有機材料とは、炭素を主要元素として、酸素・水素・窒素原子などで構成される物質(化合物)の総称です。私たちの生活空間にも、衣類(繊維)・プラスチック・ゴム・木材・紙・油脂・界面活性剤・食品など日常を直接支える製品はもちろんのこと、液晶・有機発光素子・有機半導体などの情報電子材料、人工臓器などの医療材料など先端技術を間接的に支えている基盤材料です。有機材料は、分子レベルからの材料設計が可能であり、私たち人間の身体が行っている生体機能などのように、いろいろな形態や機能を自由に選択できるという利点があります。この自由度の高い潜在的特長は、私たち研究者の開発意欲を駆り立てるのに十分な魅力を有しています。我々は主に、光に関する最先端材料の開発に取り組んでいます。分子工学分子の間の化学反応を促進させる物質を「触媒」と言い、工業的な化学プロセスのみならず、エネルギー製造や環境保全に重要な役割を担っています。例えば、水素と酸素を化学反応させて電気と水を作り出す燃料電池を動かすにも、太陽エネルギーからクリーン燃料を作るにも、自動車の排気ガスをきれいにするにも、触媒は欠かせません。環境とエネルギーに貢献する触媒物質のナノからマクロレベルにわたる基本設計と応用研究を進めています。触媒の電子顕微鏡写真およびX線マッピング化学工学化学工学は、分子レベルでの反応機構解析から実規模装置を用いた実用化研究に至るまで幅広い研究フィールドと関わりがある重要な学問・研究分野です。本研究室では、「環境・エネルギー」、「機能材料合成プロセス」、「バイオマス」、「デバイス」、「リサイクル」、「天然物」をキーワードとして、ナノ材料合成技術、機能デバイス開発、超臨界流体利用技術、バイオマス有効利用技術、省エネルギープロセス、天然物回収プロセスなど多方面の研究を進めています。理論計算化学数学や物理の理論、バイオインフォマティックス技術、コンピューターを高度に駆使することで、物質の構造や機能を詳しく調べ、設計・予測を行う研究分野です。我々は、理論計算化学の手法を使って、生命現象に関する医療品などの物質・環境問題で重要な触媒材料・電子材料などの様々な物質を解析しています。コンピューター上でナノサイズの世界を再現し、物質の構造や機能の起源、それらの可能性を探ります。同時に、医薬品や新物質の設計や発見する独自のソフトウェアを開発しています。特に、力を入れているのが、「分子を探索する技術」です。照射波長により選択的に発光色を変化できる新しい蛍光スイッチング分子システム機能材料合成とデバイス開発およびバイオマス変換37

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