熊本大学 工学部案内
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ナノカーボン材料炭素は軽くて強く、さまざまな優れた特性を示し、環境にやさしい上に入手しやすい優秀な材料です。フラーレンやナノチューブのように炭素でナノ材料をつくると、従来の材料では実現できなかった機能を持たせられる可能性があります。我々は独自のナノカーボン材料を開発して、資源・環境・エネルギー・医療・輸送・情報などの幅広い分野で課題の解決に取り組みます。先端材料材料の強さ、機能は、材料を構成するマイクロスケールの微視組織に支配されており、高性能材料を開発するためには、微視組織の性質・機能を明らかにする必要があります。そこで、世界初となる材料の微視組織から作製したミクロンサイズの微小試験片の機械的性質評価や、透過型電子顕微鏡を用いた微細構造の解析により、高性能・高機能先端材料を設計・開発を行っています。環境調和材料地球温暖化現象に代表される環境問題は私たちの身近な危機迫る問題になりつつあります。そこで私たちは、自動車や鉄道車両、航空機といった輸送機器に欠かせない金属材料を軽量化することで省エネルギー社会構築に貢献しようと考えました。現在は、高強度で熱にも強く錆び難い「長周期積層構造型マグネシウム合金」の開発を行っています。機能材料設計セラミックス材料を中心に、優れた機能を持つ材料の創製を目指して研究開発を行っています。新しい材料製造プロセスや先進的な微細構造制御技術を案出しながら、環境・エネルギー分野への応用が期待できる膜材料や燃料電池用材料について研究しています。膜材料の研究では分子オーダーの小さな孔を有するゼオライトと呼ばれる物質に、また燃料電池用材料の研究では次世代型として注目される低温作動固体酸化物形燃料電池に関する研究を進めています。電解質多層膜からなる高性能な固体酸化物形燃料電池の走査型電子顕微鏡写真。YSZとSDCで示された層が電解質で、Ni-YSZとLSCFと記されたところは電極。高強度マグネシウム合金の透過電子顕微鏡写真。白いコントラストは亜鉛とイットリウム元素に対応します。原子レベルの組織制御により従来材料を凌駕する高強度材料を開発することが出来ます。世界最小の超微小切欠付き曲げ試験片。人間の髪の毛の断面の1/10より小さい試験片について、破壊靭性や疲労特性の計測に世界初で成功しました。新開発の壷型ナノ物質「カーボンナノポット」の透過電子顕微鏡像と構造模式図物質材料工学分野物質材料工学分野40学科案内材料・応用化学科

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