熊本大学案内 2022
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 ADHDを含めた発達障害は、加齢とともに精神疾患などの併存障害を伴うことが多いため、早期発見と早期の介入や支援、そして医学的治療が望まれます。私たちは、前頭前野における脳血流の活動状態の変化を基に、機械学習アルゴリズムを用いたADHD児の診断を客観的かつ高感度に予測する手法を開発しました。この成果は、臨床現場での診断補助や治療等の効果判定として、学校現場においては早期発見を目的とするスクリーニングとして大きく貢献するものと期待されます。日本国特許、米国特許も取得しました。 いわゆる普通の高校生、大学生でした。2013年に東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。国立精神・神経医療研究センター、立正大学、東京大学大学院での勤務を経て2018年より熊本大学に。 自己紹介ADHD児の診断を高感度で予測新たな評価手法を開発ADHD児と定型発達(TD)児の前頭葉の賦活賦活(ふかつ):機能・作用を活発化すること。安村 明 先生AKIRAYASUMURA 例えば、地球上に二酸化炭素の観測地点を100地点設けるとします。この場合、どの2地点間の距離も可能な限り離すと、良い点配置ができます。実は、この考え方はCDやQRコードの情報伝達におけるエラー訂正の仕組み(誤り訂正符号)にも関連します。私は、良い点配置を発見・構成するための枠組みや、誤り訂正符号、グラフなどの数学的な対象物との関係性について研究しています。新しい発見ができたときは、大きな喜びです。“良い”点配置を追究未知の発見は喜び所  属:大学院人文社会科学研究部【文学系】(文学部総合人間学科)准教授研究テーマ:脳機能計測、発達障害、小児の発達・学習、意思決定について認知神経科学的手法での小児の発達研究、高齢者等の研究。脳機能計測・眼球運動測定による客観的評価も導入。所  属:大学院先端科学研究部【理学系】(教育学部中学校教員養成課程(数学))准教授研究テーマ:代数的組合せ論-デザイン・符号・グラフの研究-統計・実験計画に応用される点配置、情報通信に用いられる誤り訂正符号の理論。ネットワークに応用されるグラフ理論。所  属:大学院人文社会科学研究部【法学系】(法学部法学科)教授研究テーマ:被害を受けてきた非行少年や犯罪者の立ち直り●著書『少年司法における科学主義』日本評論社 2012年『非行少年のためにつながろう!』現代人文社 2017年籾原 幸二 先生 講義は、私が1回1回、舞台に上がるようなものだと考えています。論文を読むだけでなく、学会、出張や実態調査などを通して得た、できるだけ新しい知見を学生にフィードバックすることにこだわっています。刑事法の原理・原則と司法実務、社会の現実との落差を示して、この落差をどのような方向で埋めるべきかを学生に考えてもらえるような授業が理想です。岡田 行雄 先生司法と現実との落差最新の知見を伝える受賞歴第56回日本小児神経学会学術集会最優秀ポスター賞 2014年公益財団法人小児医学研究振興財団イーライリリーアワード 2015年日本小児神経学会平成27年度優秀論文賞 2015年第48回日本臨床神経生理学会学術大会優秀演題賞 2018年熊本大学令和元年度研究業績表彰 2019年日本心理学会第84回大会優秀発表賞 2020年 高校の数学教師になるため、広島大学教育学部に入学。先生になるためにはもっと数学を勉強しないと駄目だなと思い、名古屋大学大学院情報科学研究科へ進学し、現在の研究内容と出合いました。勉強というより、ブロックで遊ぶ感覚に近く、気が付けば今に至った感じです。高校教諭にはなれませんでしたが、先生の卵を育てるという形で携わることができて幸せです。自己紹介受賞歴名古屋大学エクセレントドクター賞受賞 2010年熊本大学研究業績表彰 2019年 いじめ被害や教員による体罰の経験から、処罰で正義を実現したいと思うようになり、九州大学法学部に入学しました。刑法ゼミで刑罰がいかに恣意的に用いられているかを知り、もっと学びたいと大学院へ。ドイツ留学を機に「教育に関わりたい」「自由に生きたい」と大学教員を目指すようになりました。熊本の菊池恵楓園で「らい予防法」による被害を学んだことも今の研究に影響を与えていまして、熊本とのご縁を感じています。自己紹介受賞歴第12回「法と民主主義賞」 2016年「ハンセン病『特別法廷』と司法の責任―遅すぎた最高裁の検証」についての共同研究で、内田博文氏、徳田靖之氏、八尋光秀氏と連名で受賞KOJIMOMIHARAYUKIOOKADAKUMADAI Teacher’s File名物先生熊大のKumamoto University 20225

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