熊本大学案内 2022
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 現在、発達障害児(者)の感覚問題において、VRなどを用いて“見える化”する研究により、短時間で多くの情報を収集し、感覚過敏や感覚鈍麻を評価するシステムを開発しています。視覚過敏や聴覚過敏のために疲れやすく、人込みが苦手な人もいれば、不器用で運動や作業がうまくできない人もいます。大学でも、発達障害特性がある学生が増えているといわれています。支援方法を定式化することで、不器用さのある学生への支援を行いたいと考えています。 高校生のときは、課題や概念の“その先”をよく空想していました。大学の講義は、内容が深遠・壮大・最新になり、基本概念すら押さえられず焦りを覚えました。世の中には分からないことが多く、ずっと勉強していたいと思うように。研究を続けるうちに、大学教員という結果が自然についてきました。自己紹介デジタル技術を活用し発達障害特有の感覚を“見える化” 宇宙で最初に星が生まれたのはいつだろう。それはどのような星であったのだろうか―。この解明のため、私は次世代センチ波メートル波電波望遠鏡Square Kilometre Array(SKA)という国際プロジェクトに参加しています。これは、世界最大の電波望遠鏡で、宇宙のさまざまな謎を解き明かすことができると期待されています。将来的には、地球外に生命や文明は存在するのかなどに迫っていきたいですね。  数学を使って宇宙の謎を明らかにしたいと東京大学理科I類へ。大学院では、憧れの佐藤勝彦先生の研究室で超新星ニュートリノや宇宙磁場などの研究に携わり、宇宙が5次元の世界だったらどうなるかという研究で博士(理学)を取得しました。その後、プリンストン大学(アメリカ)日本学術振興会海外特別研究員、京都大学基礎物理学研究所の日本学術振興会特別研究員、名古屋大学のGCOE特任助教を経て、熊本大学に着任しました。 自己紹介宇宙創成の謎解明に挑む世界最大の電波望遠鏡 がんの間質にある細胞、例えば線維芽細胞や免疫担当細胞が、消化器ガンの成長と転移にどのような影響を与えているかを検討しています。さらに、最近注目されている腸内細菌の異常が消化器ガンの発生にどのような影響を及ぼしているかを研究。その成果から、ガンの発生・進展に関わる重要な因子を明らかにし、予防や治療法を開発することを目標にしています。  高校時代からヨットに熱中し、勉強は二の次。国体・全国インターハイにて上位入賞をしています。熊本大学に入ると医学の勉強のかたわら、ヨット部に所属。世界の強豪と競い合い、モスクワ五輪の候補として1年休学して海外遠征も経験しました。卒業後、九州大学外科に入局、アメリカや関連病院で修練を積みました。2005年より母校、熊本大学消化器外科の教授に就任。大学教員は臨床・研究・若手の教育のいずれにもかかわることができ、やりがいがあります。自己紹介消化器ガンのメカニズム研究予防と治療法の開発を高橋 慶太郎 先生KEITAROTAKAHASHI所  属:大学院先端科学研究部【理学系】(理学部理学科)教授研究テーマ:天文学特に宇宙で最初に生まれた星や地球外生命などについて所  属:大学院生命科学研究部【臨床系】(医学部医学科)教授研究テーマ:1)消化器がんの発生と進展の機序の解明2)新規のがん治療薬の創生3)治療効果・予後予測のバイオマーカーの探索4)外科治療成績の向上を目指した手術手技の開発馬場 秀夫 先生HIDEOBABA受賞歴全日本選手権優勝3回 1980年、1981年、1982年アジア大会3位 1982年(世界選手権11位 1979年)上原記念生命科学財団研究助成 2006年、2012年小林がん学術振興協会研究助成 2009年、2015年熊本大学研究活動表彰 2008~2009年受賞歴日本地域看護学会優秀論文賞 2011年、2018年同奨励論文賞 2014年同優秀ポスター賞 2015年、2017年同優秀査読者賞 2018年日本公衆衛生学会優秀ポスター賞 2009年日本公衆衛生看護学会優秀ポスター賞 2016年熊本大学医学部保健学科奨励賞 2020年大河内 彩子 先生AYAKOOKOUCHI所  属:大学院生命科学研究部【保健学系】(医学部保健学科)教授研究テーマ:発達障害や虐待等により発達上のリスクのある「気になる子ども」の早期発見・早期支援「気になる子ども」概念の明確化、地域の保健・医療・福祉・教育関連の専門職の視点を生かした乳幼児健診システムの検討。地域の多職種連携プログラムの開発と評価を行っています。KUMADAI Teacher’s File名物先生熊大のKumamoto University 20227

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