熊本大学 理学部 2024
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「宝の海」とも称される有明海の夕景。遠く雲仙普賢岳を望む。この景勝の地には、近年絶滅が危惧される多数の生物が今も息づいている 合津マリンステーション(熊本県上天草市松島町)は雲仙天草国立公園の中の景勝地、天草松島にあります。 建物 3棟と船舶2隻があり、 教授・准教授各2名、技術専門員1名が常駐しています。理学部附属の臨海実験所として発足し、現在は、 くまもと水循環・減災研究教育センターの附属施設ですが、理学部の臨海実習や卒業研究などに利用されています。 ステーションは有明海と八代海の両内海の接点に位置し、 甲殻類 ・ 貝類などを対象とした生態・分類・行動学的研究が行われています。また、沿岸域の種多様性維持・環境保全に関する研究を通して、地域の環境問題に関する助言・指導も行っています。 臨海実習は、主として春休み ・ 夏休みに泊まり込みで行われます。3階建ての研究宿泊棟には最大46名の宿泊 ・ 実習が可能です。海岸動物の分類・生態実習や行動学実験、海洋観測など、いろいろな実習が行われています。 理学部の学生は卒業研究のためにステーションに長期滞在することができます。今までに、シオマネキ類 ・ ウミホタル ・ トビハゼなどを対象とした個性的な研究が行われ、成果は学会でも発表されています。合津マリンステーション研究実習棟(左手2階 建)と研究宿泊棟(右手3階建)。これらの他に飼育棟(1階建) がある。建物手前の船がドルフィンSCナメクジウオ脊索動物。ステーションの近くに国内有数の生息地がある。脊椎動物の進化を考える上で重要な生物であるくまもと水循環・減災研究教育センター合津マリンステーション

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