熊本大学 理学部 2026
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2 年次開講科目3 年次開講科目4 年次開講科目地道にデータを重ね地質学の専門性を高めたい地下深部利用に不可欠社会貢献にもつながる岩石学nowLaborLaboratoryまりこながまつ永松 万理子 最初は他のコースを専攻するつもりでしたが、ニュージーランドに語学留学をした時に豊かな自然に触れ、地球環境科学に興味を感じて方向転換をしました。 研究は、神奈川県の丹沢という地域にある花崗岩類の「丹沢トーナル岩」の分析です。丹沢は、北米・ユーラシア・フィリピン海プレートという3つのプレートが沈み込む場所で、その地の花崗岩を調べれば、地殻がアクティブな場所で起こるマグマだまりの現象を見ることができます。花崗岩に含まれる石英のTi濃度を測定すると石英がどれくらいの温度で固まったかが分かり、その情報をできるだけ多くの石英から集め、丹沢トーナル岩の形成過程を明らかにしていきます。研究で新たな技術に挑戦できることが楽しみ。技術の習得に励みながら地道にデータを蓄積し、地質学の専門性を高めたいです。 岩石や鉱物には美しく、集めるだけで楽しいものもあります。しかしそれ以上に、地球(地殻)の発達や進化を記録しているという重要な役割を持っているのが岩石や鉱物です。顕微鏡観察、化学分析や年代測定を通して岩石や鉱物から抽出される情報を活用すれば、地球の歴史を高精度に解明することが可能です。 岩石の中でも、特に私が扱っているのが花崗岩です。マグマだまりが地下の深部でゆっくりと冷却して形成された岩石です。花崗岩は頑強で、石油や天然ガスの地中貯留にも活用されていますが、貯留物を逃がしてしまう岩石中の割れ目がどのような場所に生じるのか。そういった予測をしておくことも必要であり、人類の地下深部の利用には岩石学をはじめ地球環境科学の知識が欠かせません。社会貢献もできるのが地球環境科学の魅力です。偏光顕微鏡を使った岩石実習安定同位体分析 (4 年)地質調査法実習風景(上天草市瀬島)河川の流量観測講義風景(特別講師はジョセフ・カーシュビング博士) 南阿蘇巡検(変形した火山灰層の観察)教授地質調査法Ⅰ、野外巡検Ⅰ岩石学、深成岩学 、固体地球物理学( A , B )、水文学、 火山学、層序学( I , II )、堆積岩石学、地史 ・ 古生物学( I , II )、同位体環境学 、気象学、構造地質学、社会地球科学、地球化学、 地球物質科学実験( A , B , C , D )、地球変遷学実験( A , B )、 地球惑星科学実験( A , B , C , D , E )、基礎講読( I , II )、野外巡検Ⅱ、地質調査法Ⅱ、データサイエンス( I , II )地球環境特別講義 ( A 〜 H )、地球環境科学セミナー ( A , B )、卒業研究たかしゆぐち湯口 貴史研究分野:岩石学主な理学専門科目

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