高知工科大学 KUT WAY 2025
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26KUT WAY 2025液晶を応用することで、新しい機械の創出液晶は固体と液体の間の状態であり、液体と固体の両方の性質をもちます。最も身近にある液晶製品は液晶ディスプレイですが、本研究室では液晶を応用した機械の創出を行っています。例えば、モータの駆動源に液晶を利用することで、直径0.1mmのマイクロモータを実現しました。さらには、細くて曲がりくねった所に、アメーバのように変形しながら物を運ぶことができる駆動装置の開発にも着手しています。これらは医療やマイクロマシンなど幅広い応用が期待できます。人工知能システム学士課程人工知能AIは、高速処理能力をもっているが、融通性においては人間に及ばないコンピュータを“偉大なる知恵者”に変えようとするものです。本講義では、人工知能の基本概念の導入とニューロコンピュータの基礎を知り、車の自律走行や知能ロボットを実現するための基礎知識を習得することを目的とします。制御工学特論より高度な制御システムの構築のために、ロバスト制御と2自由度制御系を理解し、それらを用いたコントローラを設計できることを目標とします。ロバスト制御では、周波数応答に基づいたシステムの不確かさを考えるとともに、周波数的にシステムの性能向上を行える補償方法としてH∞制御を用いた設計法を学習します。2自由度制御では、フィードフォワードとフィードバックの両方を用いることにより、システム応答を自由に設定可能な設計法について学習します。未来に進む先輩人の動きを機械工学的に解析して、それぞれの人の能力を数値化することをテーマとしています。 「人間の動きを解析する」ことに興味をもち、園部先生(園部 元康准教授)の研究室に所属し、外見からはわかりにくい人の能力を数値化することをテーマに研究をしています。具体的には、大学4年次には「人の歩行がどれだけ安定しているか」の指標を作ることを研究していました。実際歩いているところを測るのではなく、病院の狭いスペースで測れるように、プレート(床)が揺れ動く装置にセンサーを装着して被験者に乗ってもらい、その人の安定性を測るという実験を行いました。先行研究の実験結果に疑問を感じていたので、実際に自分自身で実験を繰り返しましたが、想定されるようなデータを得ることができず、不本意な結果となりました。大学院に進んで、今は「走り出しからトップスピードまで加速する間の最適な走り方」を研究テーマに選んでいます。膝や足首の動きから考える人間工学的な研究ではなく、人を一本の棒と考え、地面に対する最適な角度を検証するという機械工学的なアプローチで研究に取り組んでいます。田中 創さん奈良県立郡山高等学校出身Academicsロボット工学1、21では、車輪型・歩行型とマニピュレータを対象とし、機構、力学、計測、知的制御に関する基礎知識を身につけます。実応用として、掃除・福祉介護ロボットなどを紹介します。2では、二輪独立駆動型移動・三輪オムニホイール型全方向移動ロボットを実例として、移動ロボットの運動制御に関する理論と技術について学習します。材料革新サスティナブルテクノロジー研究室受け入れ可能な専攻|知能機械工学 / 航空宇宙工学[ 学士課程 ]大学院工学研究科 基盤工学専攻修士課程▶ 将来の展開 機械技術者の活躍するフィールドは、広範囲にわたります。しっかりとした機械工学の基礎専門力に加え、システムのインテリジェント化に不可欠な応用技術を身につけたエンジニアとして力を発揮することが可能です。高度機械技術で社会に貢献できる人材として、自動車や設備機械、精密機器などの製造業はもちろん、工学全般の幅広い分野で活躍が期待されます。例えばこんな講義があります[ 例えばこんな研究室 ]流体工学研究室受け入れ可能な専攻|知能機械工学/航空宇宙工学学士課程大学院修士課程2辻 知宏 教授川原村 敏幸 教授物質の気・液・固の状態を操作する術を解明し、新たな技術を創出しています。一般的な物質は、気体、液体、固体という状態を有しています。そのため、工学的な研究は、それぞれの状態の力学的・熱的・化学的な特性を調査し、各状態に顕われる挙動を解明し、厳密に制御する術を構築することを目標に行われています。一方、我々の身の回りに存在する物質は基本、混合体であり、理想的な状態や単体として存在している場合は極めてまれです。すなわち我々の生活を豊かにする「新たなモノを創るため」には、身の回りに存在する混合体の特性を調査し、その挙動を解明して、操作する術を構築する必要があります。本研究室では例えば高温基材上に液滴を滴下した際にみられるライデンフロスト現象に着目し、「機能膜合成技術」や「新たな動力源」などをはじめとした斬新な技術の開発を行っています。次世代における高度に知能化された次世代における高度に知能化されたものづくり技術で社会に貢献するものづくり技術で社会に貢献する▶ 学ぶ意義 機械システムのさらなる「知能化」「情報化」が進む中、人と環境に優しいシステム開発が今まさに求められています。このような時代の要請に応え得る新しい機械工学においては、機械技術にメカトロニクスやコンピュータ応用の技術を組み合わせた「融合された技術」が重要です。ものづくり技術を駆使し、社会に貢献できる次世代の技術者が育つことをめざした教育を行います。修士課程では、さらにメカトロニクスなどの分野の専門力を伸ばし、工学諸問題を実際に解決していく力を身につける教育を行います。Chapter知能機械工学専攻知能機械・航空宇宙工学コース

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