高知工科大学 KUT WAY 2025
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航空工学航空機は特に遠隔地への移動に不可欠で日常生活で身近なものとなり、国産旅客機の量産も始まろうとしています。この講義では航空機が飛行するために必要な揚力発生、推力発生等の基本的な原理等について学びます。先端機械・航空材料工学研究室受け入れ可能な専攻|航空宇宙工学/知能機械工学機械システム制御研究室受け入れ可能な専攻|航空宇宙工学/知能機械工学航空機構造工学学士課程軽構造の代表である航空機構造の設計に必要な基礎知識を学び、航空機の概念設計・構造設計の手法についても学びます。また、主として薄肉構造(モノコック構造)が用いられますが、そのような構造に曲げやねじりが加わる時に生じる応力の計算方法を学びます。高坂 達郎 教授筋肉・神経の機能をもつ生物のような新素材を航空機や自動車に活用する。生物は、痛みや熱さを感じ、怪我を治し、自ら変形するような、現在機械に用いられている素材と比べてはるかに高い機能をもつ素材で出来ています。しかし、生物の素材の強度は機械に使う材料に比べるとはるかに及びません。そこで当研究室では、自ら変形する圧電材料や人工神経である光ファイバーを材料に組み込むことで、航空機や自動車に用いることが可能な強度をもち、さらに生物のような機能をもつ新素材の開発を行っています。また、産学官連携の共同研究を通じて、その実用化をめざした研究を行っています。岡 宏一 教授航空・宇宙における機械システムの機構と制御のブレークスルーを追求する。新しい機構を考案し、その機構にあわせた機能的な制御を行うことにより、航空・宇宙の分野で活躍することのできる機器を開発することをめざして研究を行っています。写真の航空機はその1例で、QTWとよばれる無人航空機です。この機体は4つのプロペラをもちそれを取り付けた翼の傾き角を水平から垂直まで変化できます。この機構により、狭い離着陸エリアで長い航続距離をもつことが期待できます。また傾斜地などにも離着陸が可能です。このように斬新な機構をもつ装置を開発し、それにふさわしい制御を行うことにより、今まで難しいと思われていた有用な機器を機能的に、また効率的に操作することを行っています。子どもの頃の体験が宇宙への興味を引き出してくれました。宇宙での活動を地上から支える仕事に特に強く惹かれます。 そもそも宇宙に興味をもったきっかけは、子どもの頃に「小惑星探査機はやぶさ」が宇宙から帰還するシーンをテレビなどで観たこと。特に地上の管制室にいる大人たちが帰還成功の際に大喜びして盛り上がっているシーンを見て、楽しそうに思え、こんな仕事の輪に入りたいと考えたのです。 現在は荻野先生(荻野 要介講師)の研究室に所属し、宇宙から地球に帰還するカプセルが大気圏に突入した時の光による加熱について研究しています。大気圏突入時には衝撃波によって光が生じ、その光のエネルギーもカプセルの加熱要因のひとつです。昨年は、JAXAにある突入環境を模擬できる実験装置を使って実際に衝撃波を発生させ、それに伴い生じた光を分光器で計測しスペクトルを分析しました。どれくらいの気流による発光がどのくらいカプセルを加熱させるのかを大きなテーマとして大学院で研究を続けています。より専門的な研究に取り組むことで将来は有人宇宙開発に関連する分野の企業への就職をめざしています。宇宙工学特論大学院で宇宙理工学に関わる学生に対し、研究推進のための基礎的素養を拡充するとともに、英文記載の論文から情報を調べ議論することで、宇宙分野で実践される最先端研究とその技術応用、さらに今後の発展や見通しを理解し考察する機会とします。未来に進む先輩Academics[ 学士課程 ][ 学士課程 ]大学院工学研究科 基盤工学専攻修士課程▶ 将来の展開 本専攻では、4力(流体力学、材料力学、機械力学、熱力学)と制御工学を基本に、航空工学や宇宙探査工学など航空宇宙工学に関する深い専門知識と技術を身につけます。修士課程では、学士で学んだ基礎知識を発展させ、高度で最先端の専門知識を習得し、研究活動、学会活動等を通じて課題設定能力、問題解決能力、論理的思考能力等を養います。将来は、航空機やロケット、航空宇宙機器関連の開発・設計を行う技術職や研究職のみならず、幅広く機械・電子分野の業界で、システムや各種要素の研究開発、設計等ものづくりに貢献できる職種に就くことが期待されます。例えばこんな講義があります[ 例えばこんな研究室 ]27Kochi University of Technology学士課程大学院修士課程2橋爪 見奈さん東京都立白鷗高等学校出身▶ 学ぶ意義 近年、最新鋭の航空機の開発に日本の機体メーカーやエンジンメーカーが関わるようになり、世界の航空工業界における日本の立ち位置はますます重要になっています。また日本の宇宙開発の世界での立場を向上させるH3新型基幹ロケットの開発や、小惑星探査機による惑星形成の起源や生命誕生の起源の秘密に迫る調査など、まさに熱い眼差しが向けられています。このように日本の航空宇宙工学分野は世界最高レベルの技術を維持しながら、さらなる研究開発に挑戦し続けています。Chapter航空宇宙工学専攻知能機械・航空宇宙工学コース絶対的な安全性・信頼性が求められる絶対的な安全性・信頼性が求められる航空機や宇宙機器の設計・開発を学ぶ航空機や宇宙機器の設計・開発を学ぶ

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