高知工科大学 KUT WAY 2025
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30KUT WAY 2025地域環境の隠れた魅力を探り当て、魅力が花開く建築を設計・建設します。まずは身近な地域に幾度も足を運び、地域環境や風景をじっくり観察することで、地域環境の隠れた魅力を探り当てる能力を身につけます。その後、そこでどのような建築提案ができるのかを、文献調査やゼミでの議論、即日設計やラフ模型制作などを通じて建築構想能力を高めるための研究を進めます。さらには、構想や設計だけにとどまらず、様々な地域の現場(身近な地域から海外まで)にて建築実作し、普段構想してきた建築が、現地でどのようなかたちで実現し、貢献するのかを自らの手で作り上げ学ぶこともできます。海岸を美しく安全でいきいきとするための研究をしています。海岸は、海の豊かさを利用できるかけがえのない地域ですが、津波、高潮、海岸侵食などの脅威にもさらされています。海岸の環境を望ましい状態にするためには、防災・環境・利用のそれぞれについて研究する必要があります。海岸工学研究室では、毎週のゼミで海岸工学の学習を続け、波・流れや土砂移動に関する知識を身につけたうえで、それぞれが興味をもつ研究テーマで研究を進めます。高知・四国のみならず、全国各地の海岸で調査することもあり、研究成果は、国際会議で発表したり、学術論文に投稿したりします。自然が好きな方、自然環境と社会の望ましい関係に興味がある方は、自分に合ったやりがいのある研究テーマを見つけられます。防災システム計画防災まちづくりの観点から、地震のメカニズム、都市の安全性の評価、都市防災システム計画の最新技術のほか、地震防災上の地理情報システムなどの都市防災技術を学びます。既存の建築物の耐震診断演習を通じて、建物の耐震性能および補修技術を習得します。建築スタジオ特別演習建築学で学んだことの統合として、建築意匠と建築構造の設計技法をより深く学びます。講義は建築意匠スタジオと、建築構造スタジオの、二つからなり、希望するスタジオを選びます。建築意匠スタジオでは公共施設の設計方法と建築環境工学の基礎技術の導入を学びます。建築構造スタジオでは大スパン木造建築設計を構造模型製作と破壊実験を通して学びます。二つのスタジオの成果は発表会を通して共有され、結果的に双方の設計手法について学ぶことができます。未来に進む先輩過疎化した村の資源を再編し、未来に向けて再始動できるような提案の作成に取り組んでいます。 子どもの頃に観たTV番組の影響と、当時父親と行っていたDIYなどの経験から、将来は建築士をめざそうと考えるようになりました。建築は「用(機能性)・強(構造性)・美(意匠性)」の3つの要素をバランスよく満たすように設計する必要があります。高知工科大学の建築・都市デザイン専攻には、この3要素の学びをカバーできる研究室が■っているのも入学動機のひとつでした。将来は、住宅の設計に携わる建築家として、自分の個性を出せるような仕事をしたいと思っています。 現在は、渡辺 菊眞准教授の研究室で、日本一人口が少ない村(離島を除く)高知県大川村の資源再編による活性化に取り組んでいます。昔、鉱山で栄えた頃の遺構で行われていた椎茸栽培施設も台風の被害でつぶれたままになっているなど、痕跡化した村の資源を組み合わせ、新たに強度と美観を兼ね備えた施設を設計し、大川村の未来を紡ぐ足がかりとなるような提案をまとめているところです。Academics地理情報システム地理情報システム(GIS)とは、位置に関する情報をもった多種多様な地理空間データを統合分析するためのツールです。従来は種類ごとにそれぞれ紙の地図に書き込んでいた各情報をコンピュータ上で統合することで、複雑かつ大量の情報処理が可能となり、行政業務の効率化、社会基盤施設の維持管理、防災やマーケティング等の分野でも役立っています。本講義では地理情報システムの基本を学び、さらに、演習を通して地理空間データの作成、表示、編集、分析の方法を習得します。海岸工学研究室受け入れ可能な専攻|建築・都市デザイン[ 学士課程 ]大学院工学研究科 基盤工学専攻修士課程▶ 将来の展開 将来の進路としては、住環境から社会インフラまでの整備、運用と維持のための、企画・計画・設計・技術開発・研究といった職種で活躍することを目標としています。建築・土木系の企業に加え、公務員、まちづくりや地域おこしをめざすNPO・NGOなどの業種、また、リモートセンシングやGIS(地理情報システム)の専門知識を生かし、防災分野で活躍することも期待されます。また、プロジェクトマネジメントの知識を生かし、一般企業で企画や経営部門のマネジメントスタッフとして力を発揮することも可能です。例えばこんな講義があります[ 例えばこんな研究室 ]環境建築デザイン研究室受け入れ可能な専攻|建築・都市デザイン学士課程学士課程佐藤 愼司 教授大学院修士課程2渡辺 菊眞 准教授犬塚 健斗さん愛知県立西尾東高等学校出身建築と土木の“垣根”を取り払い、建築と土木の“垣根”を取り払い、ハード・ソフトの両面からハード・ソフトの両面から安心・安全・心豊かな社会をデザインする安心・安全・心豊かな社会をデザインする▶ 学ぶ意義 今、土木分野では「景観デザイン」という考え方が重視され、建築分野でも周囲の景観と調和した建築設計が求められるなど、建築と土木の共通領域が広がりつつあります。こうした時代状況に合わせ、本専攻では、従来、別のものとされてきた建築と土木の“垣根”を取り払い、ソフト・ハード両面から「安心・安全・心豊かな未来社会の創造」をめざしています。修士課程では、社会基盤や住環境の計画・整備と運営・維持のための、高度な要素技術やデザインを学び、分野横断型の技術開発力やデザイン力を身につけます。建築・都市デザインコースChapter建築・都市デザイン専攻

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