本専攻ではこんな研究をしています− 卒業研究の具体例 −AcademicsKUT WAY 2026Chapter64「マネジメント」の視点を、座学のみならず、チームでプロジェクトを自らマネージするというプロセスを通じて、実践的・体験的に学習します。具体的には、高知の農山漁村で「いなかビジネス」を展開する事業 者のニーズや地 域 課 題を聴き取ったうえで、課題解決につながる何らかの企画をグループで考え、それを実行して、結果の振り返りを行います。 子どもの頃から続けていたサッカーでしたが、中学3年生の時にアクシデントでプレイヤーではなく支える側の立場になりました。そのことからスポーツマネジメントを学ぼうと高知工科大学に入学したのですが、大学生活を送る中で、自分が本当にスポーツ業界に携わりたいのかについて考え、またその気持ちが醸成されたルーツやプロセスを振り返った結果、スポーツはあくまで手段であって「人のために何かをしたい」「人の役に立ちたい」「地域のために何かをしたい」という想いがベースにあることが理解できました。研究室配属に際しては、自分が本当に学びたいと気づいた「地域行政」について専門的に学習できる地域・都市計画研究室(土屋 哲教授)を選択し、先生の下で研究したいと決意しました。現在構想している研究テーマは「公園で外遊びをする子どもの人口が減少している要因の解明」。子どもへのアンケート調査や地域の人々の声を集めるなどフィールドワークによって得たデータをもとに分析し考察したいと思っています。卒業後は、地域創生や社会課題解決に取り組む企業で空き家問題の解決に取り組みます。マネジメントの諸理論に加え、対象となる社会システムをマネージするうえで必要となる「現状を分析・評価する力」や「計画案を評価する力」などの習得(社会科学で用いられる記述的推論や因果的推論、自然科学では主流の仮説検証型研究など)を通して、社会システムのデザインやマネジメントについて学びます。当研究室では、国や地方から市町村や集落まで様々な空間スケールで「地域」をとらえ、過疎・交通・産業振興・観光・環境・防災などの切り口から、絶えず変化する都市空間と社会・経済の間に生じうる綻びを研 究テーマに定め、課 題に対する現 象 解明・現 状の理 解や解決 策の立案・評価を通して、地 域・都市のデザインに取り組んでいます。このためには様々な学問分野からのアプローチが必要であり、それらの理 論 的基 盤 のうえに、データ分析 や 数値シミュレーションまたはフィールドワークや社会調査を実施して課題の解決を試みます。現在、多くの人が利用しているSNS。その中でも、写真を伴うものに着目すると、ユーザーがアップする写真には広告効果があると考えられるため、自治体側にとっては、写真によく取り上げられる場所(例:公園や河川敷)を優先的に整備するといった、公共空間整備の意思決定に活用できる可能性があります。そこで、この問いが本当に正しいかどうかを、データ分析を通して検証しました。回答者に、食べ物や飲み物の種類、背景の有無などが異なる2枚の写真の比較を通して、良いと思う方を選んでもらい、回答を統計的に分析した結果、背景の映り込んだ写真が好まれることが判りました。この結果をもとに、写真を伴うSNSを公共政策に活用する意義について論じました。本講義では、様々な行政経営のマネジメント構造と機能、その問題点と改善の方向性を理解することをめざします。また、理論的側面のみならず、実際の行政はいかに運営されているのか、基礎理論だけではわからない行政経営の実態およびプロセスを事例により解説し、実践的な行政経営の能力と感覚を養います。社会システム経営論行政経営論地域プロジェクトマネジメント実践未来に進む先輩大学の学びの中で、自分の真に取り組みたいことを見つけることができました。渡辺 大翔さん栃木県立佐野東高等学校出身▶ 学 ぶ 意 義 ][ 例えばこんな講義 ][ [ 例えばこんな研究室 ]地域・都市計画研究室受け入れ可能な専攻|地域・行政システム/国際経済マネジメント/企業・起業マネジメント▶ 将来の展 開多 様 な 学 問 を 理 解し 統 合 することで 、社 会 の 様 々 な 課 題 の 解 決 を め ざ す多 様 な 学 問 を 理 解し 統 合 することで 、社 会 の 様 々 な 課 題 の 解 決 を め ざ す 地域活性化や産業振興、少子高齢化や低成長問題、気候変動や環境エネルギー問題など、複雑化する社会的課題を解決するための経営方法やソリューションを創造する能力を獲得します。経済学、心理学、経営学など多様な学問を学んだうえで、学問と学問、実社会と学問をつないで社会的課題を説明できる能力を養成し、社会の将来を予測しながら自ら経営方法やソリューションの効果も予測・評価できる方法を学びます。様々な学問分野から持続可能な都市/地域社会をデザインする。 経済学、心理学、経営学など多様な学問を理解し統合することで、社会現象を再現・分析し、政策・経営戦略を創造し意思決定できる力が育まれます。社会システムを創造・マネジメントできる人材として、地域のエネルギー政策や地域活性化経営(産業、福祉)、安全安心な社会のための行政経営など、多様な分野で能力を発揮し、社会をよりよくしていくことが求められています。土屋 哲 教授2地域・行政システム専攻
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