京都大学案内 2025
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「学術越境」は専門分野を異にする他者との真剣なコミュニケーションを前提とします。総合人間学部は他者に専門をわかりやすく伝える力の育成を図る「他者に語る」というユニークな取り組みを行っています。卒業論文執筆後に、論文で扱ったテーマを他分野教員や他学生に分かりやすく説明するという試みです。分かりやすく説明する努力は自らの理解を相対化し、深めてゆくきっかけになります。この試みは学生にとって卒業間際の意義深い経験になります。写真左上から時計回りに、脳機能計測実験の様子、4次元ドームの制作、新入生歓迎合宿での集合写真、演習授業「西欧近現代表象文化論演習」の様子既存学問の枠を超えた総合的な学問の場総合人間学部は、科学技術の急速な発展や国際化の進展などによって急速に変化する社会に対応するために、人間とそれをとりまく世界を、今までの学問の体系にとらわれない学際的な観点から総合的にとらえようとする、「人間の学」構築を目標とする学部です。学際的な視点をもち、各界で創造的に活躍できる人物を育成します。他者とのコミュニケーション能力の養成「学術越境」は専門を異にする他者との真剣なコミュニケーションを前提とします。既存の学問分野にとらわれない学際的で広い視点をもつ「学際知」の育成とともに、専門を他者にわかりやすく伝える「教養知」の育成が目指されています。他者に伝える試みは専門に新たな着想をもたらす貴重なきっかけにもなります。 ユニークな取り組み「他者に語る」総合人間学部では専門分野ではない特定の他分野を副専攻として選んで系統的に履修する、副専攻制度を設けています。その目的は幅広い視野と豊かな創造性をもつ人材の育成にあり、主専攻で培う高度な専門性に並んで、他分野の深い知識と素養を身につけることで、複眼的な視点と学術越境の精神を育むことを目指しています。学術越境の理念文理にまたがり京都大学でもっとも広範な学問分野をカバーする総合人間学部は、あたかも一つの総合大学のようです。その特性を活かし、「学術越境」という理念を軸に、学部を再編しました。「学術越境」とは、教員、学生が自らの専門分野を極めつつ、学術的並びに社会的な問題解決のために積極的に他分野の知見を取り入れてゆくことです。総合人間学部で学ぶ学生は、専門分野の深く系統的な修得は当然のこと、専門だけに閉じこもらない柔軟で社会に開かれた学際的精神を身につけます。前進し続ける総合人間学部総合人間学部は2024年度より「学術越境」の理念のもと、10の講座からなる新たな形に生まれ変わりました。1993年度に第一期生を迎え入れた京都大学でもっとも新しい学部である総合人間学部は、つねに変革し前進し続けます。総合人間学部の学びは、総合人間学部の大学院である、大学院 人間・環境学研究科に直結しており、例年3~4割程度の学生が進学します(本学の他研究科や他大学の大学院への進学も可能です)。人間・環境学研究科には総合人間学部の10講座にそれぞれ対応する10の講座が設けられており、学部時代と同一の教員の指導のもとでシームレスに専門を継続的に学修し、深化させることが可能です。幅広い視野と創造性を育む副専攻制度ココに注目大学院 人間・環境学研究科への接続15334455

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