京都大学案内 2025
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文学部の特徴■ 人文学科京都大学の文学部は、哲学・思想・歴史学・文学・文化・行動科学等に関わる諸問題を学び考え、自由の学風を重んじる本学の基本理念をふまえながら、新たな知的価値の創出をめざす学生を求めています。入学者の選抜においては、次の3点が問われます。❶ 総合的な基礎学力をもっていること。❷ 過去から現在に至り、さらに未来にまで伸びる人類の営みについて、深い関心をもっていること。❸ 高度な文章読解力、および論理的かつ柔軟で、創造性豊かな思考力とそれを表現する力をもっていること。江戸時代前期に制作された奈良絵本『たなはた』(美学美術史学専修所蔵)京都大学の文学部が掲げる最大の目標は研究者の養成です。ただし研究対象が日本あるいは諸外国・地域の文学・文化に関わらず、国内の評価だけで研究者として認められる時代は過ぎ去りました。世界の研究者と対等に渡り合い、自身の研究価値を世界に認めさせながら国際的研究水準のレベルアップに寄与し、世界各国・地域の研究者がナショナリズムをこえた相互理解の共通基盤に立てるよう、努めなければいけません。これらをふまえ、国際化に対応した新時代の研究者を育成しています。京都大学の文学部では、思想、言語、文学、歴史、行動、現代文化、それぞれの学術体系を習得することにより、人間の諸活動を原理的に解明することをめざします。あわせて絶えず変化する環境下、これらの学問がもつ価値を問い直す研究者としての専門性の高度化をめざし、次の学習目標を設定しています。哲学・歴史学・文学・行動科学に関する基礎的学識と専門分野についての深い理解力を養い、卒業論文の作成を通じ、問題の探究・分析能力や表現力を身につける。哲学・歴史学・文学・行動科学に関する諸課題に向きあうことで問題の発見・解決能力を養い、創造的に取り組む姿勢を身につける。人文学の意義と重要性を理解し、高い倫理性をもって、その展開に寄与する行動が可能な能力を身につける。自由で批判的な精神と良識を養い、人類が直面する課題を直視し、問題解決に積極的に寄与することができる能力を身につける。文学部が望む学生像国際化に対応した新しい研究者の育成専門性の高度化につながる明確な目標設定18京都学派を育んだ新進の精神が息づく刺激的な知的交流の場に新風を吹き込む若き好奇心を求めてFaculty of Letters1122文学部

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