まなびの環境京都大学の自由な討論と多様性に開かれた学風をさらに発展・深化させ、人類の幸福に寄与する学問の発展に貢献できるように現代社会の課題のひとつである男女共同参画(ジェンダー平等)のモデルとなる大学づくりを進めています。稲垣 恭子(理事・副学長)京都大学では2008年に「たちばな賞」を創設し、人文・社会科学または自然科学の各分野において、優れた研究成果を挙げた女性研究者(研究者部門・学生部門)を顕彰しています。後進の励みとなるだけでなく、次代を担う優れた女性研究者の育成に結びつくことを期待しています。全学共通科目(人文・社会科学科目群、少人数教育科目群(ILASセミナー))に2科目を開講し、性差やジェンダーに関する正しい知識の提供と意識づけに努めています。■ 全学共通科目 人文・社会科学科目群 「ジェンダー論」 担当教員:川島隆(文学研究科)■ 全学共通科目 ILASセミナー 「ジェンダー論」 担当教員:石岡学(人間・環境学研究科)センター長 グローバル化が進む中で、ジェンダー平等やダイバーシティの推進はますます重要になっています。男女共同参画推進センターは、女子学生・女性研究者のみならず、次世代を担う学生・研究者の多様な生き方を後押しし、新しい価値の創造に貢献することをめざしています。 学生生活・研究生活には楽しいこともあれば、困難にぶつかることもあると思います。センターでは、学業や研究への意欲が途切れダイバーシティ&インクルージョン推進の一つの取組として、研究活動においても、女子学生が今よりもましてリーダーシップやイニシアティブを発揮できる環境づくりをめざしています。本事業では、女子学生が、自らの好奇心や探求心を核としつつ、自分とは異なるさまざまな視点から議論し協働するプロセスの経験を通じて、研究の面白さに気づき、新しい課題にチャレンジする活動に奨学金を支給しています。毎年「京都大学を知ろう・研究者と語ろう」をテーマに、女子高校生をキャンパスに招いて語りあう「女子高生・車座フォーラム」を開催しています。女子高生から寄せられる質問に答えながら、学生生活やその分野を選んだ理由、大学卒業後の進路、研究の面白さと苦労など、女子学生と女性研究者たちが自身の経験をもとに本音を語ります。ないように、研究・実験補助、育児・介護等の支援のほか、さまざまな相談に対応するメンター制度を設けています。 また、女子高校生向けに、大学生活や将来のキャリア等について本学の学生や教員と直接話し合えるフォーラムを開いています。各界で活躍する卒業生のインタビュー記事(動画)もホームページで公開していますので、ぜひご覧ください。京都大学には大学院や医学部附属病院をふくめ、子育てに向きあう教職員や学生が少なくありません。そのサポートとして、次のような事業に取り組んでいます。■病児保育室こもも医学部附属病院内に病児の子どものための保育室「こもも」を設置。教職員・学生が利用しています。■待機乳児の保育室自治体保育所への入所を待つ乳児のための保育室を男女共同参画推進センター内に設置、緊急時には一般乳児の一時保育も可能。保護者に代わってシッターが子どもを迎えに行く「おむかえ保育」も実施しています。■学童保育所 キッズコミュニティKuSuKu教職員・学生が、土日や小学校の夏休み期間等に安心して子どもを預けることができる学童保育所を設置。学内の研究リソースを活用した魅力ある教育プログラムを提供し、親と子を育み、将来の日本の研究力・技術力の底上げに貢献することをめざしています。ジェンダーにとらわれることなく、学生・教職員が自身の能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいますジェンダー平等やダイバーシティの推進をめざしてhttps://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/68京都大学優秀女性研究者賞「たちばな賞」性差・ジェンダーに関する授業女子学生チャレンジプロジェクト女子高生・車座フォーラム保育のサポート男女共同参画推進センター
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