12文学部の諸学問の根本は、私たちが用いる言葉を通じて、人間の本質とその営為を探究することにあります。ここで言う言葉とは、単なる情報伝達の手段ではなく、人間の精神文化を培い、表現し、蓄積する知の宝庫を意味しています。言葉に自覚的かつ批判的に関わる中で、人間存在の奥深さへと眼差しを向け、文化・歴史・社会の多様性を認識し、新たな人文学的知の創造に寄与していくことが、文学部の教育理念です。哲学コースは、哲学・哲学史、倫理学、インド哲学史、中国哲学史、美学・美術史の5専門分野から構成されています。東西の文化的伝統の中で、人類が生み出してきた様々な精神的所産(哲学・思想・宗教・芸術にかかわる文献や作品)を、厳密かつ真摯に読解し、また思索することを通して真理の探求を行います。人類は東西の様々な文明圏において、多様な宇宙観・世界観・人間観・生命観・倫理観を創り出し、各時代を通じてそれを展開させてきました。また、生と死、老いと病いを見つめることで、各種の宗教を生み出し、信仰の諸形態を作り出してきました。さらに、崇高なるものを希求して豊かな美の世界を展開してきました。哲学コースを構成する各専門分野では、人類が生み出してきたこれらのものを、現代が抱える諸問題(環境問題・生命倫理・民族問題など)をも視野に入れて、主として文献と史資料に基づいて研究しています。歴史学コースは、日本史学、東洋史学、朝鮮史学、考古学、西洋史学、イスラム文明学の6専門分野から構成されています。歴史学は、過去の探究と現代の認識との(さらには未来への見通しとの)間の相互対話の中でなされる精神的営みです。つまり、現代社会の成り立ちへの関心、現代とそれ以前の「異文化」社会との異質性・同質性への関心を重視する学問です。本コースは、特定の地域と時代における社会(経済・政治・文化の総体)の特質と相互間の共通性を、批判精神をもって実証的に、また理論的に解明することに主眼をおいています。具体的には、先学の著作を批判的に読む中で自らの問題点を鍛え直してシャープなものとし、次いで、自ら直接に史資料を解読し史跡を調査することにより、自らの視角から、ある特定の地域と時代の社会像を復原することが求められます。この過程で、人間精神の多様性を認識するセンス、論理的思考力と独創性が養われることが期待されるのです。文学コースは、国語学・国文学、中国文学、英語学・英文学、独文学、仏文学の5専門分野から構成されています。日本・中国・英米・独・仏の言語や文学を研究するコースで、「文学部」として最もイメージしやすいコースと言ってよいでしょう。それぞれ古典から現代までの、具体的かつ多様な文学作品(詩・小説・●歴史学コース●文学コース教育課程の特色文学部は全体を一学科(人文学科)とし、哲学・歴史学・文学・人間科学の4コースの下に21の専門分野が置かれています。学生は1年間基幹教育を受けた後、2年次からいずれかのコース・専門分野に所属し、専門分野の講義・演習を受講するとともに、文学部の全分野の多様な授業を履修することができます。そして最終的に、自らの関心に従って所属の専門分野からテーマを選び、4年間の勉学の集大成として、自力で卒業論文をまとめなければなりません。人文学科の各コースの内容●哲学コース1.教育理念2.教育プログラム教育の目的文学部は、各専門領域の研究者である教員と学生とが教育と研究を通して研鑽を行い、人文学的な知識・思考方法を習得する活気に満ちた学部です。教育の目的は、人文学的教養と知性を身につけ、研究や仕事の場で活躍する優れた人材を養成し、社会に送りだすことにあります。アドミッションポリシー Admission Policy
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