カント『純粋理性批判』第1版扉Hegelカントの手稿「永遠平和のために」LeibnizSocrates18研究室は、古代ギリシア哲学、中世哲学、及び近代・現代哲学の三つないし四つに大別されるとはいえ、それらは言わば多様にして一と言うべく、根本においては一つの愛智(ピロソピア)、すなわち智(ソピア)を愛し求める営みである。学部生と大学院生の哲学する一つの共同体として哲学研究室は、自由な雰囲気のもとに、それぞれの関心を尊重しつつ、しかも相互の対話・学的な交わりを大切にしている。研究室では、哲学することの楽しみと醍醐味を実現するために、次のような仕方で研究や教育を行っている。第一に、哲学の原典を、例えば古代のプラトン、アリストテレス、中世のアウグスティヌス、トマス・アクィナス、近代のデカルト、ヒューム、カント、ヘーゲル、現代のニーチェ、ハイデッガー、ウィトゲンシュタイン、メルロ=ポンティ、レヴィナスなどのテキストを厳密に読み解くこと、第二に、各自の成果を口頭発表や論文の形にまとめて、自由で真剣な討論の場を創っていること、第三に、恒例行事として夏には温泉に浸かりながら二泊三日の九重・雲仙合宿をしたり、あるいはしばしば深更までシンポジウム(饗宴)をしたりすることである。文学部/人文学科/哲学コース大学院人文科学府/人文基礎専攻/哲学専修人間と存在の本源をどこまでもたずねゆく道…。哲学することは古来より、驚きや懐疑や不安から始まる。しかも驚きや不安をその根源から問い直そうとして哲学する。なぜ私がこの世に生きているのだろうか、なぜ物事は存在していてかえって無ではないのだろうか、なぜ人を殺すのは悪いのだろうか、なぜ科学は環境問題を科学によって解決しようとするのであろうか。哲学的な問いかけは、けっして抽象的な現実離れしたものではなく、むしろ根源的かつ全体的に問うことこそが、専門的かつ部分的に問うことよりもいっそう切実で具体的な問い方なのである。哲学・哲学史研究室
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