九州大学 文学部 案内 2023
23/88

22巷にあふれる仏教関連の書籍。しかし、多くの情報があふれ、何が真実かが見えにくくなるほど、一次資料に遡る作業が重要となる。本当のところ釈迦は何を言ったのか。インドにおける仏教の現実はどうだったのか。仏教を根本に遡って考えようとするとき、古典語であるサンスクリット語の知識は欠かせない。人の意見を鵜呑みにせず、自分自身で思想を確認し納得する。サンスクリット語で書かれた文献に体当たり。日本における「印哲」の歴史は、「漢文を通した仏教」に満足せず、インドに始まる仏教の実際を再構築しようとしてきた作業の歴史である。インド文化圏を知的に旅するための装備一式を我々は提供する。本講座は、インド仏教を中心に、インド文化を広く学べるよう配慮している。対象とする文献は、サンスクリット語・パーリ語・チベット語で書かれたものなら全てである。インドの古典語で書かれた経典・論書を中心に、東南アジアまで守備範囲とする。宗教・哲学のみならず、文学・医学・ヨーガ、また文献と密接に関連する美術など、カヴァーする分野は多岐に渡る。演習・講義では、サンスクリット語などの語学と同時に、インド文化・仏教文化を広く学ぶ。また学生の興味と必要に応じて、パーリ語とチベット語の授業も開講する。各人の興味に応じて教員が卒業論文執筆を手厚くサポートする。(例えば、最近の卒業論文のテーマは、詩、密教、生理学、儀礼と様々である。)インド学・仏教学は、国際交流も盛んである。本講座は、欧米のインド学・仏教学とつながっている。教員自身、岡野はマールブルク、片岡はインド・オックスフォード・ペンシルヴァニア・ウィーンに留学している。国際交流に興味ある人、いずれは海外に留学したい人にもお薦めの分野である。専任教員は二人。岡野が経典や文学を中心とした仏教文献を、片岡がそれ以外のインド古典文献を担当。少人数のアットホームな雰囲気の中、インドの語学・文化・思想をじっくりと学べる研究室である。文学部/人文学科/哲学コース大学院人文科学府/人文基礎専攻/インド哲学史専修仏教の源流へインド哲学史研究室

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る