『伊勢物語』(近世初期写、九州大学附属図書館支子文庫蔵)古活字版『源氏物語』(近世初期刊、九州大学附属図書館蔵)40全国屈指の蔵書量を誇り、資料に即した実証主義的学風が本研究室の特色である。地方であることは、この情報化時代にあってはもはやマイナスではなく、むしろ中央を相対化する視点をもたらしてくれると考えてよい。またグローバリゼーションの時代でもあるが、母語やそれによって構築され蓄積されてきた文化に対する深い理解と明確な価値観が、より一層求められていると確信する(それらをことさら特別視し祭り上げる風潮には与しないが)。同時に世界への発信を急務と考え、海外からの留学生の積極的な受け入れにも努めている。このような基本姿勢のもと、国語学(日本語研究)の分野では日本語の時間的変容(日本語史)と空間的変容(方言)の研究を中心的課題に据え、これまでの学問的蓄積の継承・発展を期するとともに、時代の趨勢を踏まえた様々なアプローチを行っている。また、国文学(日本文学研究)では、堅実な文献学・訓詁注釈に立脚した実証主義を貫き、各時代にわたる文学作品の内実を解明するとともに、それをとりまく社会状況の精神史的意味の追究を行っている。授業の多くは演習形式で行われ、資料の読解や、各自が持ち寄ったテーマについての討議が中心となる。大学院においては、修士論文や博士論文の目標をしっかりと定め、その進捗状況を定期的に発表することが課せられる。各自の研究テーマは自主性に任されており、提出される論文は時代・分野・方法も多種多様である。スタッフ一同は、教科書的知識の習得ではなく、新たな知識を得るための方法論、そして、真理にむかって自由に研究を楽しむ喜びを、ここで知ってほしいと願っている。文学部/人文学科/文学コース大学院人文科学府/言語・文学専攻/国語学・国文学専修文献からの出発国語学・国文学研究室
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