九州大学 文学部 案内 2023
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独文学 2018年度入学心理学 2017年度入学63を持っていた外国語に挑戦してみたかった、という3つの理由があったからです。また、私は専門分野であるドイツ文学の他、教職課程と司書課程をとっており大学卒業時には国語の中高一種とドイツ語の高1種の教員免許、そして司書資格を取得する予定です。文学部では他にもとれる資格がたくさんあります。とりたい資格も研究室選択の際の1つの材料になるかもしれません。大学での4年間は、勉強はもちろんですがアルバイトやサークル、留学、旅行、友達付き合いなど自分がやりたいことに十分な時間を割くことができる期間だと思います。私は邦楽部、九大短歌会、九大俳句会の3つに所属しているのですが、どのサークルも自分にとって、大切なものになりました。(写真は邦楽部の定期演奏会の際に撮影したものです。箏という楽器を演奏しています。)ぜひ4年間をかけて熱中できる何かを見つけてください。みなさんの大学生活が実りあるものになることを心より祈っています。この文章が少しでもその参考になればうれしいです。まず、九州大学へご入学された皆様、おめでとうございます。恐らく今、皆様は、これからの大学生活に向けて、沢山の思いを巡らせていることでしょう。そして、その“思い”の多くは、卒業をするまでに、“経験”という形になって、得られているはずです。大学とはそういう場所であると、私は思います。さて、この文章では、そんな皆さまに対して、私が少しお話をさせて頂く訳です。まず、テーマとして思い浮かんだのは、「心理学とは」という内容です。ですがこのテーマは、1年生で履修可能な、心理学入門という授業に譲りたいと思います。九州大学には、素晴らしい先生方が沢山いらっしゃいます。その方々がきっと、授業の中で、熱量をもってお話しして下さるはずです。ですから、この内容については、私の出る幕は無い訳です。次に思いついたのは、「心理学研究室について」です。しかしながらこのテーマも、研究室訪問という、毎年2度、1年生向けに開かれる機会があるので、それに譲ろうと思います。ある対象に対する見え方・感じ方は、人によって異なります。ですので、自分で体験するのが一番良いのではないかと、私は思うのです。では、「大学ではこれをやってみよう!」と、偉そうにアドバイスするのはどうでしょうか。安心してください。そんなことはしません。沢山の希望を持った皆様であれば、やるべきこと、やりたいことは、既にしっかりと見えているのではないかと、そう思うからです。「文章はもう後半なのに、まだ具体的な内容を話さないのか!」と、方々に怒られてしまいそうなので、そろそろテーマについてお話ししようと思います(実は既にいくつか話しているつもりなのですが)。上記のテーマを避けて、今の私が書けることは1つです。それは、自身が今感じている実感についてです。より具体的には“後悔”について、ここではお話したいと思います(だからといって暗い話をする訳ではありません)。私が感じているのは「もっと沢山のことをやっておけばよかった」という類の後悔です。「思いは形になる」などと、冒頭で格好つけて書いたのですが、それは事実です。心理学はそれが可能な学問です。なぜなら、人が関われば、あらゆる対象について研究をすることが出来るからです。なので、研究をしたいと思える内容が、日常の中でも数多く見つかります。ですが、「研究をしたい」と、「自分が出来る」とには、大きな差があります。研究をするためには、それに応じた能力が、その時の自分に備わっていないといけないのです。そして、「その時出来ること」は、「それまでに自分がしてきたこと」によって決まります。ですから、上記のような後悔を、私は感じているのです。私は文学コースの独文学研究室に所属しています。独文学研究室では小黒、武田両先生をはじめとする先生方とドイツ語で書かれた様々なテクストを読み進める演習の授業のほか、ドイツ語ネイティブの先生による会話の授業や作文の授業を受けています。どの授業も興味深く、優秀な同期や後輩、先輩方から日々刺激を受けています。九州大学文学部の学部生は基幹教育で1年間学んだあと2年生に進級するタイミングで研究室を選択します。その選択の材料になるのは1年次の必修科目である人文学基礎、文学部の先生方が基幹教育で担当されている歴史学入門や文学・言語学入門といった授業、さらには研究室訪問などでしょうか。研究室訪問の際以外にも、研究室に所属している先輩や先生に個人的にお話を聞くのもいいかもしれません。研究室でどのような授業を行っているのか、過去の先輩方の卒業論文のテーマなどを聞くと自分がどの研究室に入るべきか分かりやすくなると思います。参考までに、私が独文学研究室を選んだのは①もともとカフカの『変身』が好きだった②1年生の時に受けていた、武田利勝先生ご担当の文学・言語学入門の授業が面白かった③苦手意識文学コース人間科学コース熱中できることを探す 金丸 静巴 Kanamaru, Shizuha 何でもできる。だからこそ、やれることは限られる 戸田 晃大 Toda, Kodai

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