18 九州大学には、法曹(弁護士、裁判官、検察官)を養成するための大学院法務学府(法科大学院)だけでなく、法学・政治学の研究者や高度専門職業人を養成するための大学院法学府が設置されています。法曹を目指す人は、大学卒業後、大学院法務学府に進学することになりますが、法学・政治学の研究者を志す人や、法学・政治学の専門知識を活かした職業に就くことを考えている人は、大学院法学府に進学することになります。 大学院法学府では、演習(ゼミナール)への参加や論文の執筆を通じて、法学・政治学のさらなる研鑽を積むことができます。長い伝統を誇る大学院法学府(旧・法学研究科)は、大学・研究所だけでなく、社会のいたるところで活躍する数多くの修了生を輩出しています。 2年間の修士課程には、後述する「国際コース」のほか、法学・政治学の高度な専門知識を習得し、社会で活躍する人材を養成する「専修コース」と、法学・政治学の研究者を養成する「研究者コース」があります。いずれのコースでも、少人数の演習に参加し、法学・政治学の専門書を読み、議論を闘わせることになります。こうしたコースワークに加えて、2人の指導教員の助言を受けつつ、自分の選んだテーマに関する修士論文を書くことになります。コースワークを終え、修士論文の審査に合格すると「修士(法学)」の学位が授与されます。 修士課程修了後、「専修コース」の学生は、民間企業や政府機関などで法学・政治学の専門知識を活かした仕事に就くことが想定されていますが、「研究者コース」の学生は、さらに3年間の博士後期課程に進学することになります。博士後期課程でも、コースワークはありますが、中心になるのは、なんといっても博士論文の執筆です。膨大な文献を渉猟し、それらを乗り越える新知見を示す博士論文を書くのです。博士論文の審査に合格すると、はれて「博士(法学)」の学位が授与されます。博士後期課程修了後は、大学・研究所などで教育・研究に従事することが想定されており、実際、数多くの修了生が全国各地の大学で教鞭をとっています。 なお、大学院法学府には、英語で授業を行い国際的に活躍する人材を養成する「国際コース」も設置されており、さまざまな国からの留学生が英語による授業を受けています。もちろん、日本人学生も「国際コース」に入学することが可能です。 皆さんのなかには、すでに大学院進学を考えている人もいるかもしれません。そうした人にとっては、大学院大学に入学することは、たいへん有益でしょう。すでに学部段階で、大学院進学を見越したプログラムが組まれているからです。とりわけ、英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語で書かれた文献を読む授業の充実ぶりは、大学院大学ならではです。また、日本語だけでなくさまざまな言語で書かれた膨大な専門書(約400万冊)が所蔵されているため、いちはやく法学・政治学の専門的研究に取り組むことも可能です。さらに、多くの大学院生と接する機会が多いことも見逃せません。修士課程・博士後期課程で学んでいる先輩たちと日常的に接することは皆さんの知的刺激となり、学問への意欲をさらに高めてくれるでしょう。 法学・政治学を学ぼうとしている皆さん。ぜひ大学院進学まで視野に入れたうえで、学部を選択してみてください。民間企業・公務員等大学・研究所等法学府博士後期課程3年法学府修士課程2年法学部学士課程4年法務学府(法科大学院)2年/3年法 曹「九州大学大学院法学府」の紹介「九州大学大学院法学府」の紹介法学・政治学を極めたい皆さんへ──大学院進学のススメ
元のページ ../index.html#20