九州大学 法学部 2023
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伊都法科大学院21法学部には、法科大学院の既修者コース(法学をひと通り学んでいると認められる人を対象とする2年間のコース)の教育内容と一貫した体系的な教育を行う「法科大学院連携プログラム」という履修プログラム制度があります。他大学にも同様の制度があり、一般に「法曹コース」と呼ばれています。各大学の法曹コースの学生(法曹コース生)は、さまざまな法科大学院が実施する特別な入試(特別選抜)を受験することができます。特別選抜では、学部での成績を考慮して合否が判定されますので、学部成績が良好であれば、よりスムーズに法科大学院に入学できます。また、法科大学院の既修者コースでは、一般に、司法試験の必修科目(憲法・民法・刑法・行政法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)をひと通り学んでいることを前提に教育が行われますが、法曹コースの出身者については、それ以外の科目の一部についても学部の段階で学習済みだとして扱うことが認められています。さらに、法曹コース生が法科大学院の科目の一部をあらかじめ履修しておくことも認められています。つまり、法曹コース生は、本来は法科大学院で行うことになっている学習の一部を学部の段階で先取りすることができるわけです。法曹コース、特別選抜、学習の先取りの具体的な内容は、各大学の法学部や法科大学院によってさまざまです。また、法学部と法科大学院が「連携協定」を締結しているかによっても違います。九州大学法学部は九州大学法科大学院と連携協定を締結していますので、以下では、九州大学法学部の法曹コースを経て特別選抜により九州大学法科大学院に入学する場合について説明します。九州大学法学部では、2年生の前期の終了時に希望者を募って法曹コース生とします。希望者が多い場合には、それまでの成績により選抜を行います。法曹コース生の卒業要件はほかの学生と同じですが、法科大学院教育との接続を図るために指定された一定の科目を履修し、一定以上の成績を修めた上で卒業すれば、法学士の学位に加えて、法曹コース修了者の資格を得られます。さらに、法曹コース生が4年生になる前に卒業と法曹コース修了に必要な単位を優秀な成績で修得し、かつ、いずれかの法科大学院の特別選抜に合格した場合には、3年生の終了時に卒業することもできます(早期卒業制度)。2023年度からは法科大学院の修了を待たずに既修者コースの2年目から司法試験を受験できるようになりますので、最短で、学部入学から法科大学院の卒業まで5年間の在学の後、ただちに司法修習に入ることができることになります。法曹コース生は九州大学法科大学院の一部の科目を履修でき、その単位を一定以上の成績で修得して同法科大学院に入学すれば、そのまま修得済みの単位として認められます。また、同法科大学院では、法や法学の基礎を探求する科目や、より深く法学を理解するのに役立つ法学以外の分野の科目について一定数以上の単位の修得が求められますが、法曹コース生がそれらの科目に対応する学部科目について優秀な成績を修めた上で同法科大学院に入学した場合には、それらの科目についてはすでに単位を修得しているものとして扱われます。九州大学法科大学院は、九州大学法学部をはじめとする連携先の法曹コース生を対象とする、学部成績と口述試験だけで既修者コースへの合否を判定する特別選抜(募集人員9名)と、連携の有無を問わず法曹コース生を対象とする、学部成績と3科目の専門科目の筆記試験の成績で合否を判定する特別選抜(募集人員6名)という2つの特別選抜を行います。いずれの選抜でも学部成績が重視されます。なお、法曹コース生であっても、7科目の専門科目の筆記試験が行われる一般選抜を受験することはできます。したがって、法曹を目指す人が法曹コース生となることに特段の不利益はありません。法科大学院連携プログラム法科大学院連携プログラム(法曹コース)の紹介

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