九州大学 法学部 2023
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25私は、学部4年の4月から、法学部の部局間留学協定を利用して、ドイツのハノーファー市にある「Leibniz Universität Hannover(ハノーファー大学)」で12ヶ月間、留学生活を送りました。この学校への留学を決めた理由は、もちろんヨーロッパを多方面で牽引しているドイツにて国際法を学んでみたいという好奇心もありましたが、何よりここでは「情報法」という比較的新しい法分野における研究が盛んだったので、テクノロジーが加速度的に発展するこれからの社会における法とはどういう姿をしているのかを探る最適な環境であると感じたからです。案の定、開講されている授業はどれも面白いものばかりで、特に「International Private Law and the Internet」や「Data Protection in the age of Artificial Intelligence」といった授業では、個人情報の保護が基本的人権の尊重と同義であると位置付けたうえでインターネット上のあらゆる交流における法秩序を模索しているヨーロッパの現状に大変驚きました。このように、日本と海外(この場合はヨーロッパ)における法を比較できることも留学の醍醐味の一つだったなと振り返っています。留学で特に印象に残っているのが、夏休みの間にハノーファー大学が開催する3週間のサマースクールです。ここでは、情報法に関連した法についてのレクチャーが毎日朝から夕方遅くまで行われ、ヨーロッパ各地から集まってきた大学院生や現役弁護士と共に時間の許す限りぶっ通しで議論をするという体験をしました。授業以外でも、参加者みんなで集まってビールを片手に朝まで将来について語ったり、それぞれの母国の伝統料理を持ち寄ってピクニックをしたりと、有意義という言葉で片付けるには惜しいほど充実した時間を過ごすことができたと感じています。これらの経験を通して、これまで以上に情報法に対する学術的な興味が深まり、遂には大学院に進学し研究をしていこうと決意するに至りました。この一年間の価値は計り知れません。ハノーファー大学の外観生活面でも多くの気づきを得ました。特に日本とドイツのライフスタイルの違いは明確で、日本は「住みやすいけど生きづらい」印象でしたが、一方でドイツは「住みづらいけど生き心地が良い」という印象を受けました。生活上多少の不便を被ってもそれに文句を言わず互いを許し合う文化の基では、人間関係がギクシャクすることもあまりないのかもしれません。住みやすさと生き心地の良さは必ずしもトレードオフの関係にはないとは思いますが、1年間留学するなかで個人的に強く感じた点です。この1年間の留学は、学業的にも人生経験としてもかけがえのない体験でした。やはり冒険を通して得るものは大きいですね。ドイツ語集中講義のクラスメイトと共にサマースクールのクラスメイトとの乾杯学部3年の9月から、法学部の部局間留学協定校であるSciences Po Bordeaux(ボルドー政治学院)で1セメスターの留学をしました。実質3ヶ月半という短い期間ではありましたが、数多くの経験をすることができました。ボルドー政治学院はフランス南西部のボルドー市に位置しています。留学生向けには英語とフランス語2つのコースがあり、私の所属していた英語コースEnglish trackでは講義は英語で開講され、希望者はFrench track向けの講義も履修可能です。私は大学でフランス語を第二外国語として学ぶなかでその文化に関心を持ち、フランスへの留学を希望すると同時に、学術的な面では英語能力を伸ばしたいと考えていました。そこでこのEnglish trackの存在を知り、ボルドー政治学院を留学先に決めました。講義については、いわゆる留学と聞いてイメージされるアクティブな授業形態とは異なり、大人数で教授の話を聞く日本の大学と似た形式のものが多かったです。特に面白かったのは国際政治の授業で、現代社会で起こっている事象を政治学の歴史と学説に基づき分析することができました。他にも政治人類学やメディア学など色々な講義があり、専攻以外の分野へも関心が広がりました。また、友人と挑戦したフランス語開講の憲法は、英語と日本語の助けを借りなければ理解は難しかったですが、専門的な用語に触れつつ、自国の憲法に影響を与えた法をその土地の言語で学ぶ貴重な経験となりました。フランスではストライキが多く、頻繁に止まる交通網や市街で遭遇するマーチと共に生活してみて、権利の主張が行動として根付いている文化を肌で感じることができました。こうした発見や出会いが、今後どのような環境で仕事や生活をしていきたいか再考させてくれたのも、留学を通しての大きな収穫です。九州大学で、私はJTWというプログラムのチューターとして留学生のサポート活動をしていたのですが、ボルドー政治学院では学生団体主導で現地学生がバディとなって、諸手続の補助に始まり、パーティーを開いてくれたこともありました。チューターをしていたことで、これらのサポートをただ受け取るのでなく、次に自分が留学生を受け入れる時にどう生かそうという視点で捉えられたのはよかったなと感じています。またチューター時代の友人とボルドーや旅行先で再会し、家族での朝食に招待してもらったり、実家に宿泊させてもらったりと、より現地の生活に近い体験もできました。友人とその家族、そして私をこの留学に導いてくれたチューター活動と交換留学プログラムには感謝でいっぱいです。バディとのラクレットパーティードイツでJTWの学生と再会留学生一同、キャンパスにて【留学先】ドイツ、ライプニッツ大学 (ハノーファー大学)  周 礼旻(2020年3月GVプログラム卒業、LL.M.進学)【留学先】フランス、ボルドー政治学院    廣瀬 梨早(2021年3月GVプログラム卒業、LL.M.進学)留学体験記

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