経済・経営学科産業技術日本経済史産業社会史経済史入門、経済史Ⅱ、欧米経済史特研[講義・ゼミ紹介]新技術が誕生して新しい製品・サービスが生まれ、それが普及して経済効果が発生し、新産業が形成され、さらには企業経営や人間生活にまで影響を及ぼす長い過程は、「イノベーション・プロセス」と呼ばれています。このプロセスは、「知識創造」、「価値創造」、「価値獲得」という3局面に分けることができますが、それぞれの局面で、興味深い現象が報告されています。有名な「オープン・イノベーション」論は、「知識創造」局面で、自社の発明と他社の知識を戦略的に組み合わせることの重要性を説いています。ビジネスパーソンに人気の「破壊的イノベーション」は、「価値創造」と「価値獲得」の局面で、正しい経営者が判断を誤るという興味深い現象を報告し、そのメカニズムを明らかにしています。ゼミではまず、イノベーションはあらゆる人々・組織、制度の影響を受けながら形作られるという、「イノベーション・エコシステム」の概念枠組みを修得します。それを応用しながら「第4次産業革命と企業マネジメント」、「新産業の誕生・成長と制度の関係」についてディスカッションを重ね、最終学年での卒業論文につなげていきます。[講義・ゼミ紹介]2年次の基本科目「経済史Ⅰ」と、3・4年次の専門科目「日本経済史」を担当しています。「経済史Ⅰ」では、16〜20世紀のアジアと欧米の関係に着目しながら、日本の経済や企業経営の果たした役割を探究します。「日本経済史」では、1600年代から1930年代の400年間にわたる日本の経済システムの変遷と意義を学びます。ゼミでは、徳川期〜近現代の日本経済について、現代の諸問題と比較しながら分析できる能力を身につけます。本年度は、11月に関西大学・福岡女子大学・西南学院大学・公立鳥取環境大学・流通経済大学との六大学インターゼミを開催し、12月には経済学部内の4ゼミ(他に堀井・北澤・水野の各ゼミ)で合同の報告会を開催し、1年間の研究成果を披露しています。『歴史は講義室で起きているんじゃない、現場で起きているんだ!』をモットーにして、日本経済に関わる博物館や工場を訪問したり、図書館・資料館で文献を収集してみたりと、校外学習(フィールドワーク)を重視している点が、鷲崎ゼミの特徴です。[講義・ゼミ紹介]3・4年次生を対象とする「日本経済史」では、江戸時代(近世)〜高度成長期について、日本経済の歴史を概観します。ここでは、一つのことがらについて複数の見方・考え方がありうること(「正しい見方」は一つではないこと)を学習してほしいと思います。ほとんどのみなさんにとって、関心があるのは現代(または未来)の日本経済でしょうが、それを考えるうえで、現代日本経済の成り立ちを考えることも、重要な作業です。ゼミでは、広く日本の産業社会について学んでいます。さらに細かいテーマは、参加学生の希望にあわせているので毎年かわります。これまで、日本の財閥・企業家活動・談合の成り立ちなどについてテキストを購読したり、研究発表をしたりしてきました。また、工場や資料館などの見学も、活発に行っています。[講義・ゼミ紹介]「経済史入門」では、16〜18世紀のヨーロッパ経済を、世界システム論と呼ばれる考え方を通じて解説しています。「経済史Ⅱ」では、アジアとヨーロッパにおける貨幣システムの歴史を通じて、貨幣とは何かを考えます。「欧米経済史特研」では、最近の経済史の英語文献を読みます。ゼミでは、アダム・スミスに関する様々な先行研究や、彼の著作である『道徳感情論』『国富論』を読むことにより、自分なりのスミス像を探求することを目標としています。アダム・スミスは「経済学の父」と呼ばれ、「見えざる手」という言葉で知られますが、彼がどのような思想を持っていたかについては、論者により全く違った結論が出されています。そこで自分の目でスミスの著作を確かめてみようというわけです。哲学者であったスミスの著作を通じて、「経済とは何か」「経済学とは何か」「豊かさとは何か」を考えることにもなります。1313YASUDA Satoko[研究テーマ]❶イノベーション・マネジメント ❷ オープン・イノベーションと産学❸ 高度人材の国際移動とイノベーWASHIZAKI Shuntaro[研究テーマ]❶日本経済史 ❷ 近世・近代都市の土地市場史・不動産経営史❸近世日本の生産要素市場史KITAZAWA Mitsuru[研究テーマ]❶近現代日本産業史❷近代日本経営史❸近代日本の産業発展と実業教育SAKON Yukimura[研究テーマ]❶ ロシア帝国論 ❷ロシア経済史。特に海運 ❸ ロシア極東の歴史連携ション安田 聡子鷲崎 俊太郎北澤 満左近 幸村
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