九州大学 経済学部 CAMPUS GUIDE 2023
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経済工学科企業経済分析企業金融産業組織労働経済学比較経済政策[講義・ゼミ紹介][講義・ゼミ紹介]ゼミでも 同様の問題について分析しますが、講義と異なり、各学生が勉強した知識と現実の企業データを使って、どのような財務活動が株価を高めるかを検証していきます。目標は、企業と株価に関するニュースについて、プロの目から意見を言えるようになることです。ゼミ・コンパやスポーツ大会等を通じて学生同士が親交を深めながら、本当の意味で「使える」知識を身に付けていく。そんなゼミを理想としています。[講義・ゼミ紹介][講義・ゼミ紹介][講義・ゼミ紹介]主に3・4年生を対象とした「経済政策」の講義を行っています。現代の資本主義社会では市場において各経済主体が自由に活動することが基本になっていますが、市場は常に効率的に機能するとは限りませんし、不平等な結果になってしまうこともあります。こうした問題に対して、ミクロ・マクロ経済学を用いて政府が行うべき政策を分析していきます。ゼミでは長期的な経済発展について学んでいます。産業革命以降、私たちの社会・経済・生活はそれまでのものと全く異なるものになっています。産業革命以前の社会とはどのようなものか、産業革命はなぜ起きたのか、現在の経済水準・成長は維持可能なのかといった点について計量経済史の観点から検討しています。1818YEH Tsung-ming[研究テーマ]❶企業合併買収(M&A)や買収防衛策❷企業統治や株主アクティズム❸金融リテラシーと意思決定の関係UCHIDA Konari[研究テーマ]❶企業金融の実証分析❷ コーポレート・ガバナンスの実証分析❸CSRと金融・資本市場HORI Nobuaki[研究テーマ]❶文化と制度の共進化の経済理論モデル❷宗教とリベラリズムの政治経済学❸工業化と脱工業化の社会的影響MUROGA Kiho[研究テーマ]❶政策変更と時間配分に関する実証分析❷ 技術革新と労働市場に関する実証分析❸ 女性活躍の方法に関する経済実験MIYAZAWA Kensuke[研究テーマ]❶ 日本・世界経済のマクロ分析❷ 介護政策と家族のあり方❸ 長期経済発展と人口動態私のゼミでは、自分の研究分野の一つであるM&A(企業合併買収)や企業統治を中心に、海外の代表的な教科書を使い、輪読の形で勉強しています。最近では日本でもM&Aが活発になり、例えば、SBIが新生銀行にTOB(公開買い付け)を仕掛けた事例や、スーパー大手の「関西スーパー」と「オーケー」がエイチ・ツー・オー(H2O)への買収で競い合った事例にあったように、M&Aは企業価値を高める戦略として活用されています。また、ESG(Environment、Social、Governance)経営が世界的に重視されている中、企業統治(Governance)も企業価値を高めるうえで重要な役割を占めています。教科書の輪読を通じて、M&Aや企業統治についての仕組みや論点を勉強したうえで、それらがどのように企業の価値・業績・株価に関連しているのか先行研究の結果を見ていきます。これから企業で働く学生にとっても、研究職を目指す学生にとっても、企業の経済活動を分析的な目で見る能力が身につけられるゼミを目指します。私の講義では、企業金融について学習します。企業は株主から資金を調達し、そのお金で工場建設等の投資を行います。工場が製造した製品が売れれば企業にお金が入りますが、このお金は最終的には配当として株主に還元されます。これらの財務活動がうまく行かないと、株価が下落し、株主から経営介入されるor買収対象となります。では、どのような財務活動を行えば、株価が上昇するのでしょうか? これが企業金融のテーマです。経済学を学ぶことの意義は、特定の分野に限らず、一見複雑な様々な社会現象の背後にある本質的なメカニズムを、経済学の基本的な考え方に沿って見通せるようになることです。3・4年生向けの「応用ミクロ経済学」では、ミクロ経済学の比較的新しいトピックを学び、経済学の応用可能性の広さを感じてもらいます。ゼミでは、最近の私の研究に沿って、文化や制度といったこれまで経済学があまり顧みてこなかった分野に、最新の経済学がどのように取り組んでいるのかを学んでいます。市場経済や民主主義が安定的に機能するための土台として、その社会で共有される価値観や文化が重要となります。まず、ゲーム理論など基礎的なミクロ経済理論の理解を確実にしたあと、文化や制度とその変化といった曖昧なものの研究に、最近の経済理論モデル分析や歴史データ分析の手法がどのように応用されているのかを学びます。ただし、ゼミのかなりの時間は広く問題意識を共有する文化人類学や政治学、歴史学などの文献講読に費やすことにしており、「読む」ことにこだわったゼミを目指しています。少子高齢化が進む中、私たちは労働市場に関する多くの問題を抱えています。例えば、労働力人口の減少に伴い、移民の受け入れ政策や女性の就業促進政策が議論されていますが、移民を受け入れると労働市場にはどのような変化が起きるでしょうか。そもそも女性の就業を阻んでいる原因は何でしょうか。労働経済学では、労働参加・高齢化・教育・結婚等の私たちの生活に密接に関わるテーマを理論と実証の側面から検証します。その際に、1・2年次に学ぶ「ミクロ経済学」や「計量経済学」の知識を使用し、現実の諸問題を論理的に議論します。ゼミでは、専門書や論文を輪読し、労働経済学に関わるトピックについて討論を行います。また、具体的な実証分析手法を学び、因果推論について理解を深めます。懇親会やゼミ合宿を通じた学生同士の交流も積極的に行っていきたいと思います。意欲溢れるみなさんと学べることを楽しみにしています。葉  聰明内田 交謹堀  宣昭室賀 貴穂宮澤 健介

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