九州大学 キャンパス案内 芸術工学部 2023-2024
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卒業生紹介芸術工学府では、進化計算による最適化の研究を行いました。最適化は、色々な機器やシステムの設計に使われています。今では、単に最適化するだけでなく、人間と協力しながらの最適化、より知的な最適化、などが求められています。人間の感性を最適化設計に反映させるためには、最適化アルゴリズムとユーザ双方の長所を学ぶことが必要です。芸術工学府には、生理、心理、数理などの幅広い研究だけでなく、さまざまな国からの学生もいます。異なる研究方向や設計概念を知ることができる非常に良い研究融合環境であると思えましたので、私は人間と工学を融合させる最適化研究をすることにしました。そして、単なる問題解決ではなく、人々により良い未来を提供することが研究である、という考えが私の目標となりました。新潟大学 自然科学系情報電子工学系列 助教余 俊2019年 デザイン人間科学国際コース 博士課程修了 現在は社内横断的に基盤となる技術の開発に携わっています。芸工時代の専攻は芸術表現学だったので、全く新しい分野に挑戦しています。楽器や音響機器を作る会社なので、音に関するスキルはもちろん必要だと思いますが、最近はそれだけではないと感じます。例えば、多分野の知識をくっつけてアイデアを生み出す力、音以外の分野の知識、新しいコト・モノへの関心などです。多彩な興味・スキルを持った芸工生との関わりがとても活きていると感じます。ヤマハ株式会社音響事業本部 基板技術開発部ソフトウェアエンジニア密岡 稜大2019年 芸術情報設計学科卒業2021年 コンテンツ・クリエーティブ Mist Light Design, LLC 代表/照明デザイナー木下 美沙2006年 環境設計学科卒業2008年 芸術工学専攻 環境計画系 修了デザインコース修了39光の気配やうつろいで、多様な景色をつくる照明デザイナーとして、街の光環境や住宅照明など様々なスケールのプロジェクトに取り組んでいます。照明デザインは、ユーザーにとっての快適さを考慮した適切な照明環境を設計し、さらにその場にふさわしい特別な気配やうつろいを光によってつくりだす仕事です。学生時代に行った設計課題でのフィールドワークや、環境心理学での印象評価の研究を通して得た知識や視点が、設計を進める上で土台になっています。また、照明デザイナーはいろいろなジャンルのデザイナーと協働でプロジェクトを進めていきますが、他学科との距離が近い大橋キャンパスでの経験が非常に役に立っていると感じます。

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