九州大学 農学部 ガイドブック 2024
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本当に怖いメタボリックシンドロームの撲滅!24 ⽇本人の死因の上位が何かご存知ですか? ほとんどの方ががん(悪性新生物)と血管系疾患です。私たちは、主にこの血管系疾患の予防に栄養や食品開発を通じて取り組んでいます。血管系疾患の中でも動脈硬化症はメタボリックシンドロームの行き着く先で、ほとんどの方がこの病気で亡くなっています。メタボリックシンドロームとは内臓性脂肪型肥満に加え、高脂血症、高血圧、高血糖の危険因子のうち2つ以上が含まれる状態を言います。健康診断において、これらの危険因子の値が正常より少し高めであっても、何の対処もせず放置される方が多くいます。ここにメタボリックシンドロームの怖さがあります。症状がゆっくりと進んである⽇突然、深刻な病状になって現れることが多いので、⽇頃の生活習慣が重要とされています。現在のところ動脈硬化症の発症を抑えていくために、血管の健全性はもとより、肝臓、小腸、脂肪組織の健全性を保つのが重要です。私たちはメタボリックシンドロームを発症するときの不健全な臓器間のコミュニケーションを改善するメカニズムから、新たな食品の開発を目指しています。食糧化学工学分野では、食品の栄養や機能性、分析・加工技術や衛生管理など、食品について幅広く学ぶことができます。私は本分野の紹介を見て、食品って面白そう!と感じて進学を決めました。実際、本分野での学びは大変面白く、食品の奥深さや最新の研究に触れてワクワクする⽇々でした。大学院では食品の加工技術に関する研究を行い、現在は食品を通して世の中の役に立ちたいという思いから食品企業で油の研究開発をしています。食品に興味はあるけれども、具体的に何がしたいか分からない…そんな方もきっと⾃分のやりたいことが見つかる場所だと思います。ぜひ⾃分を信じて、様々なことにチャレンジしていってください!応援しています。病態発症時の不健全な臓器間コミュニケーションを食品成分で改善する「面白い!を信じて」2019年度 修士課程修了小原 如恵株式会社J-オイルミルズ 本分野卒業生の活動分野は多岐にわたり,主として研究,開発,生産部門で活躍しています。主な分野としては,発酵・醸造,製菓,乳業,製粉,ハム,冷蔵,精油,調味料,その他の食品関連工業,飼料,製薬工業,香料工業,化学工業(食品部門),総合商社(食品,化学部門),公務員,大学・学校などです。卒業生の活動の分野卒業生からのメッセージ

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