九州大学 農学部 ガイドブック 2024
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02大学院生物資源環境科学府長大学院農学研究院長 九州大学農学部は、1919年に設置され、100年を超える歴史と伝統を誇ります。この間、「研究重視」、「応用に偏らず、理論に流されず」をモットーとした教育研究を通して、各界で活躍する優れた人材を多数輩出し、我が国やアジアを中心とした世界の人々の生活向上と多様な産業の発展に貢献してきました。 農学は農林水産業の発展を目的とするだけでなく、広い意味での生物資源の保全・利用と人間社会との関わりを基盤とする総合科学です。資源生物科学、環境農学、農業資源経済学、生命機能科学など多様な専門分野が連携して、農林水産生態系の持続的保全と発展を図り、人類と自然との共生を目指しています。さらに、生物が秘める様々な機能の発見と利用技術の開発、社会システムの整備を提案・実現していきます。そして、地球環境を保全し、食料や生物資材の生産を基盤とする包括的な科学技術を発展させ、人類の共存と福祉に貢献します。 このガイドブックをご覧になる皆さんは、農学がカバーする学問分野の幅広さと、農学が扱うべき社会課題の多様さにきっと驚かれると思います。環境を保全し、生物資源を生産し、生物資源が備える様々な機能を発掘・活用し、生物資源を取り巻く社会システムを整えるために必要な自然科学と社会科学を結集させた「ミニ・ユニバーシティー」とも表現できます。さまざまな課題を俯瞰的に捉え、解決策を導き出す能力を習得するために、農学部では入学後1年半は、基幹教育として基礎知識と能動的な学修スキルを磨きながら、農学の概要を学びます。その後、自分が興味をもった専門分野に進み、より深い知識と技術を修得する、Late Specializationカリキュラムを採用しています。農学部のもう一つの特徴は、キャンパスで多くの留学生と触れ合う機会が抱負で、教育・研究内容の国際性に加えて、グローバルな視点を獲得することができる点です。 九州大学農学部は2018年から学術研究都市伊都キャンパスに移転し、さらに2021年には伊都にオンキャンパス農場を備えて、新たな百年を切り開く環境を整えました。この新しいキャンパス環境をフル活用し、新鮮な感性と若いエネルギーとパワーを持つ皆さんとともに、21世紀における人類的課題克服のための新たな知を創造する、新世代の九州大学農学部を創造していきたいと願っています。九州大学農学部長中 尾 実 樹School of AgricultureKyushu University農学部長あいさつ

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