九州大学 農学部 ガイドブック 2024
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34私は学生時代、ホシササノハベラという集団内の性比によって性別が変わる魚を使って、性の分化に関わる因子の解明を目指して研究を行っていました。研究生活を通して、水産分野が秘める可能性の大きさや水産業の課題を目のあたりにした経験から、卒業後もこの分野で働きたいという気持ちが芽生え、現在は水産会社の研究職に就いています。水産分野は現在、社会的に注目を集めている分野であり水産会社以外も次々に事業を展開し始めています。在学中も、フィールドワークからラボまで幅広い分野で活躍ができるので、ぜひ皆さん挑戦してみてください! 2020年度 修士課程修了立山 和樹マルハニチロ株式会社 水産科学分野の卒業生は,国内外の大学や国公立の研究所,国家公務員,地方公務員,教員,博物館や水族館の学芸員,一般企業では食品・飲料(日本水産,ニチレイ,ハウス食品,明治製菓,キュピー,伊藤ハム,丸大ハム,キッコーマン,森永乳業,キリンビール,カルピス,アサヒ飲料,他),飼料(中部飼料,林兼産業,他),製薬(武田製薬,第一三共,塩野義製薬,大正製薬,大塚製薬,アステラス製薬,田辺三菱,他),商社(三菱商事,丸紅,出光興産,他),通信(NTTドコモ,NTTデータ,他),金融(大和証券,福岡銀行,他),財団法人(化学及血清療法研究所,化学物質評価研究機構,他)等幅広い分野で活躍しています。200μmの蛍光マイクロプラスチックを飲み込んだメダカの蛍光画像 近年プラスチック,特に微細化したマイクロプラスチックの汚染が懸念されています。我々はメダカをモデルとしてその体内動態と影響,吸着化学物質との相互作用を研究しています。フロンティア研究として期待の大きいマリンバイオ 人類が未来を豊かに生き抜いていくには,海洋の未知遺伝子資源とその産物を人類の福祉と健康,エネルギー問題等の解決に役立てて行く必要があります。私たちは,迷宮(ラビリンス)を語源に持つラビリンチュラ類等の海洋微生物の特殊な機能やそのメカニズムを解析するとともに,有効利用することを目指しています。水圏⽣物多様性の創出・維持・変動機構 海洋や陸水には極めて多様な動植物が生息していますが、水圏という研究上の様々な制約から未だ多くの謎が残されています。このような水圏生物の資源増殖、持続的利用および保全の基礎として、魚類と藻類の生態的・生理的多様性、種内変異、種多様性の創出・維持・変動機構に関して研究を進めています。特に、 SCUBA潜水などによるフィールドでの生態調査を基盤として、ゲノム科学や生命科学の先端的技術を駆使することにより、この大きな問いに挑んでいます。有害赤潮藻シャットネラ 有害・有毒種を含む植物プランクトンの光合成や増殖などに及ぼす環境要因や汚染物質の影響について,遺伝子から生態レベルに至る幅広い視点から調べています。卒業生の活動の分野卒業生からのメッセージ

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