九州大学 農学部 ガイドブック 2024
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35養液栽培システムによる園芸作物の高品質・高効率・多収⽣産 SDGsに対応した主要園芸作物の高品質・高効率・多収生産化を目的として,湛液・循環型養液栽培システムの実証試験を進め,実習教育に役立てています。ウシの体質制御による国内の草資源をフル活用した安全で良質な牛肉⽣産システムの開発 近年,⽇本の牛肉生産はBSE(牛海綿状脳症)等の発生に見られる食の安全性に関する問題等の多くの問題を抱えています。私たちは国内の草資源を活用する牛肉生産に適応したウシの“体質形成プログラム構築”のために“代謝生理的インプリンテング(刷り込み)効果”という新しい概念を導入し(草からの栄養吸収能⼒を高める体質つくり),これまで不可能とされてきた草資源を活用した安全で良質な牛肉の生産を目指しています。ダイズ遺伝資源を活用した新規有用遺伝子の探索と新品種の開発 ダイズは良質なタンパク質と脂質を多く含み,近年,代替肉の原料としても注目を集めています。そこで,栽培特性に加え,食味や栄養価,機能性等の改良を目指して,在来種や突然変異体を活用した新規有用遺伝子の探索と育種利用についての研究に取り組んでいます。循環型農業につながる教育研究の場 附属農場の水田圃場は山や川に囲まれた里地里山にあり,多様性に富む農業生態系のなかにあります。水稲,麦,大豆栽培を主軸に,農地づくり,土づくり,栽培環境モニター,地下灌漑栽培,デジタル化技術の基礎的要素を学ぶことができます。 キャンパス周辺は稲作農家と酪農家が隣接しています。そのような環境下での都市近郊型酪農の経営技術の発展を目指します。加えて各種乳加工技術の習得を目指した実習を行います。多様な果樹遺伝資源を活用して新しい品種を⽣み出す 果樹栽培において良質な果実を生産する栽培容易な品種の育成が望まれています。農場で保存している国内外の多様な果樹遺伝資源から新しい品種を生み出し,それらの遺伝的性質や栽培技術についての研究を行っています。安定した都市近郊型酪農の経営を目指し、粗飼料栽培および乳牛の管理、飼養技術を発展させる 農学部附属教育研究施設土を耕し,生き物を育む研究と教育を 農場は,伊都キャンパスのアグリ・バイオ研究施設を中心とした3つのエリア(作物,畜産および園芸),篠栗果樹園(篠栗町)および高原農業実験実習場(大分県竹田市)からなり,フィールドを活かした体験的な農業実習教育を学部学生に対して行なっています。大学院では,農業生産生態学分野および家畜生産生態学分野で院生を受け入れ,広い圃場や大家畜を用いたユニークな研究を行なっています。農 場

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