九州大学 農学部 ガイドブック 2024
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42 植物用の環境調節実験室は温度,水分,光,風,ガス組成など植物をとりまく物理的要因を人工的に制御することができ,基礎的な学術研究はもちろん,植物由来有用物質生産などで植物機能を実用的に活用するための展開・橋渡し研究や,植物工場の技術開発の場にもなります。また,同様の概念で設計した昆虫用,魚類・両生類・は虫類用の環境調節実験室も有しており、2022年には新たに「伊都地区動物実験施設」(別棟)を設けました。当センターではこれらの研究を支援することによって,学術研究はもちろん産業技術開発までの様々な領域へ,制御環境の利用拡大を図ります。研究支援においては,センターの専任教員とともに関連部局等から参画する複担・協力教員を加え,それぞれの専門性を活かした広範囲の学術領域を網羅しています。 センター専任教員は九州大学生物資源環境科学府の大学院教育を担当しています。ここでは,植物工場などの先進的植物生産システムに関する高度な学術的知識と技術について教育しており,この分野で高度な知識と技能を習得することを目指す方々を大学院生として受け入れています。 生物学・生命科学の研究では,しばしば厳しい法的規制下で物理的に封じ込められた閉鎖的な実験空間で実験生物材料を適正に取り扱うことが求められます。その実験の場では,環境条件を厳密にコントロールすることによって再現性のある正確なデータを得ることが可能となります。実験生物環境制御センターは,人工的に制御した環境を作り出す「生物環境調節実験室」を有しており,このような研究に携わる九州大学の教員,学部学生および大学院生に実験の場を提供しています。学内共同教育研究施設生物環境調節実験室を学内共同利用に供して生物学・生命科学の研究を支援し,その実用化を橋渡しする実験生物環境制御センター

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